2007年度公募プログラム

幼稚舎サイエンスミュージアムの構築と教育的な活用

活動課題(テーマ)

幼稚舎の中にサイエンスミュージアムを構築し、それを利用した独自な教育プログラムを実施する。

担当

幼稚舎主事 相場 博明

相場 博明学校の中にサイエンスミュージアムがあったら何て素敵だろうという発想でこのプログラムはスタートしました。子どもの時期にたくさんの本物の自然に触れることが、将来の科学者を育てることにつながると信じています。

実施状況

(1) サイエンスミュージアムの展示スペースの充実

標本戸棚を2つ購入する。館山の海浜学校で幼稚舎生が数十年にわたって採集してきた貝殻を展示する。

(2) 展示する標本類の充実

高価な標本は購入せず、幼稚舎理科認定書システムで利用している標本類(貝殻、植物、昆虫、化石、鉱物)を中心に充実させる。

(3) 標本類のデータベース化

幼稚舎にある標本類のデータベースのプロトタイプを現在教員が開発中である。これをさらに業者に委託して完成版を作成する。完成したあとは、具体的な標本データを入力する。

(4) 標本を利用した教育プログラムの開発

従来行われてきた、認定書システムのソフトは教員の手作りのものであり、これを改良してさらに利用しやすいものに改良する。また、新たに作ったデータベースをもとにした教育プログラムを開発する。

(5) 教育プログラムの実践と評価

教育プログラムは、従来行われている認定書システムと、新たに作成したデータベースを利用したものとの2つの実践を計画している。実践結果の評価については、理科教育学会、地学教育学会等での学会発表を行う。また、データベースは将来的にはWeb版の開発も視野に入れ、慶應義塾全体の中での共有化をはかりたい。

成果・目標達成度

今年度は、標本類の購入と整備、展示に向けての準備を中心に行った。標本類においては、主に恐竜関係、鉱物・化石関係、貝殻関係、昆虫関係を中心に揃えることができた。まだ、今後の展示計画を考えると十分とは言えないが、ほぼ7割の標本類を入手できたと考える。とくに恐竜関係、鉱物・化石関係の標本は、アメリカのツーソンで購入できたために、安価で展示にふさわしい立派な標本類を入手できた。また、昆虫関係は日本産の昆虫類を中心に揃えることができた。
データベースは、プログラムが完成し、将来児童にそのデータベースを活用した教育プログラムを実践できる方向性が見えてきた。ただし、そのためにはデータベースの入力作業が必要であり、この作業にはたいへんな労力を必要とする。教員で手分けをして現在入力を続けている段階であり、まだまだ完成までには時間がかかると思える。

従来利用してきた貝殻検定プログラムは、マイクロソフト社のアクセスに移行することができた。これによりスムーズに認定書が発行できる。今後は貝殻だけでなく、植物検定、昆虫検定、岩石・化石検定、恐竜検定などにも活用できるようなプログラムを開発していきたい。

今後の展望

今後は、展示スペースを充実させて、おそらく全国的にも珍しい「小学校の中にある小さなサイエンスミュージアム」の完成をめざす。また、データベースをより充実させて、そのデータベースを活用した教育プログラムの本格的な実践を行いたい。そして、本物とデジタルデータの両方を活用した教育利用のあり方を模索していきたい。また、データベースは将来的にはWebサイトにアップしたいと考える。Web上でも自由に貝殻や昆虫などの検定プログラムが使えるようになったら良いと思う。そのことが社会に対する貢献につながっていくと思う。

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