2008年度公募プログラム

経済学部学生専門教育短期留学支援制度

活動課題(テーマ)

経済学部プロフェッショナル・キャリア・プログラム在籍の学生を中心として、春学期や秋学期期間中の半年間ないし、春季休暇期間中・夏季休暇期間中に海外主要大学(HEC、パリ高等政治学院、LSE 等)への学生の短期留学を支援し、国際的視野に立ち、世界を舞台に活躍する未来先導型人材の育成を目的とした短期留学支援制度を開設する。

担当

経済学部長 塩澤 修平

 

主な活動メンバー

経済学部教授 嘉治佐保子
経済学部教授 松岡和美
経済学部准教授 石橋孝次
経済学部准教授 駒形哲哉
経済学部3 年 小松直登
経済学部3 年 小平大輝

事務担当部門

学事センター、日吉学事センター

実施状況

経済学部では、専門教育科目として開設しているコースの一つであるプロフェッショナル・キャリア・プログラム在籍の学生を中心として、春学期や秋学期期間中の半年間ないし、夏季休暇期間中に、HEC、LSE といったヨーロッパの主要大学、カリフォルニア大学のようなアメリカの主要大学の専門科目教育プログラムへの短期留学を支援することで、国際的視野に立ち、世界を舞台に活躍する未来先導型人材の育成を目的とした短期留学支援制度を、未来先導基金を利用して実施している。制度が開設された2008 年度は第2 学年2 名、第3 学年13 名、第4 学年6 名の合計21 名の学生がこの制度を利用した。学生の留学先は、当初の実施計画で想定した通り、HEC が多く、また夏季休暇期間を利用してLSE への短期留学を行った学生も現れるなど想定内とは言え、制度の幅広い利用が行われた。
経済学部ではこの制度の円滑な実施のために、学部内に「経済学部学生専門教育短期留学制度に基づく対象学生選考委員会」を設置した。同委員会は、プロフェッショナル・キャリア・プログラム・コーディネータ、学部および国際センター学習指導主任等から構成され、学生からの申請書を元に書類選考を行うとともに、必要に応じて学生本人を呼び出して、英語による口頭試問を含む面接試験も実施して選考を行っている。また同委員会は、選考のみならず、帰国後に提出が義務づけられている学生からの「留学の成果に関するエッセイ」にも目を通して、この支援制度による成果を確認し、次回の選考の際に活用している。
なお、この制度創設の広報は、例年3 月31 日に行われる経済学部第3 学年ガイダンス、および掲示、学部Web サイトへの掲載といったところであったが、告知後、多くの問い合わせが事務局に寄せられるなど、学生の認知度は非常に高く、6 月末日受付分をもって予定額を全て使い切るという状況となった。これは当初想定していなかったことであり、その後も学生からの照会が年度内続くなど、この制度が学生のニーズに非常にマッチしたものであることが証明されることとなった。

成果・目標達成度

プログラムの実施状況で報告した通り、制度が開設された2008 年度は第2 学年2 名、第3 学年13名、第4 学年6 名の合計21 名の学生がこの制度を利用した。従来、経済学部では第2 学年の学生が留学することは極めて珍しく、それが2 名も同時期に出たことは、この制度の導入が契機となった側面もあると思われる。
なお、学生が留学からの帰国した際には「留学の成果に関するエッセイ」の提出を義務付けている。年度をまたがって現在も留学継続中の学生も多いことから、最終的な成果はこれらの学生が帰国後に提出してくるものを確認する必要があるが、現在までに提出された資料からは、学生が海外一流大学における専門教育を受けることによって、系統的知識の向上を図るだけでなく、将来の国際的なキャリア・メイキングに役立つ実践的教育を行うことで、世界を舞台に活躍する未来先導型人材の育成を目的とするこの制度が学生個々人の留学の成果として現れているのではないかと考える。

今後の展望

2009 年度も未来先導基金による留学補助を継続するにあたって、名称を「経済学部・経済学研究科専門教育留学支援制度」に変更し、補助の対象を経済学研究科在籍者にも拡大した。また経済学部設置の研究会、プロフェッショナル・キャリア・プログラム(PCP)、研究プロジェクトを履修している他学部在籍者も対象に含めた。経済学部・経済学研究科ではなるべく多くの学生を海外の高等教育機関に送り出したいと考えており、さらに留学補助制度を拡充したい。

参加者の声

公募プログラム

経済学部 小松直登

やはり経済的な支えがあると、学業に集中できるのではないかなと思いました。例えば、1日3食をしっかり食堂で食べるといったことや、湯沸し器を個人的に買って、眠いときにコーヒーをつくるのに役立てるなど、お金に余裕がないとできないことだと思います。また、大学生活以外でも非常に恩恵を受けていると実感しています。多くの留学生は何らかの奨学金をもらって留学にきているため、経済的にも割りと余裕があるようにみえます。例えば週末はパリへ行ったり、まとまった休みのときは、遠くへ旅行にいきます。そういう意味で、今回の奨学金は、彼らと行動を共にしようと思わせてくれる効果を与えてくれています。日本の未来を担う者の一人となりたいと思って、このプログラム参加を決めましたが、最初の1ヶ月では、語学力も含めた自分の能力を国際的な基準と照らし合わせて客観的に知ることができました。それは必ずしも高くはなかったのですが、これに対しては、悲観的にならず、伸びる余地があると思って、積極的に頑張っていきたいです。


経済学部 小平大輝

未来先導基金プログラムを通じた私の留学は充実の一言に尽きます。それは国際的コミュニケーション能力の向上、学問的成果、自身の精神的成長、また人種・国籍を越えた多くの友人全てにおいての充実です。当初の目的はグローバル化を正確に理解した上で、世界標準のビジネス手法を学ぶということでした。しかしながら、いざグローバル化の授業を取ると、それは普遍的なものではなく、歴史的文脈の中での現象であることがわかりました。一つの授業では正確に把握できるものではないと思い、ビジネス・地理学・文化人類学の側面からグローバル化について考えました。私なりに行き着いた答えは人的資源としての個人の重要性であり、人的資本をどう蓄積していくのかということを常に考えておかなければいけないと考えるようになりました。このように、とことん考え抜いて本質を追求する姿勢を常に崩さず、この世界にある課題解決に貢献していきたいと考えています。

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