2010年度公募プログラム

医薬品開発を先導・協力する人材育成を目指す国際体験プログラム

活動代表者

薬学部教授 須貝 威

須貝 威薬学研究科は、卒業後に世界的視点で医療基盤に貢献する人材育成が大きな使命です。めざすものは、基礎研究・教育、臨床開発、病院研修、産学連携という流れを感じる、職業人(医療人)教育を超えた、医療産業人、医療社会人です。
大学院生は在学時代一生懸命なあまり、目先のタスク処理に陥りがちです。ここで制度が全く異なる国のシステム・文化を現地で積極的かつリフレッシングに体験することは、独立自尊の精神を内省、発露する非常によい機会と考え、本プログラムを提案しました。

活動内容

1)2010年8月23日~27日 四川大学を基点に研修・共同研究 (引率教員:木内文之、成川佑次 大学院前期博士課程:熊田尋美、志村亮、新村明子、星野達郎、森健太朗、後期博士課程:大嶋直浩)
8月24日 四川大学薬用植物園、中薬市場(成都);8月25日 成都大学付属医院、中医薬博物館、四川康和医葯有限公司;8月26日 鬱金の栽培地
中国の生薬市場や病院、栽培園等を見学、現状の実態調査や伝統医学を中心とした医療現場の視察を行い、また、天然物化学に関し総合的に四川大学との交流を深めた。中国では生薬が生活に深く関係し関心も高く、現在・未来の中国の生薬資源に関する問題点を知ることができ非常に有意義であった。

2a)2010年6~8月 米国薬学部協定校(メリーランド大学、アイオワ大学、ワシントン大学)へ学生派遣(大学院前期博士課程:岩川奈々、岩田紗弥、南雲まい、甲田雄馬、松田和也、石塚ゆき子、倉富未来)
米国の医療現場で指導者のもと研修を行い薬剤師の役割と実情を知り、独立した医療人として鍛えられた。将来国際的視点をもって世界に通用する人材として、極めて重要な経験を積むことができた。

2b)2010年12月 米国薬学部協定校(テキサス工科大学、アイオワ大学)から教員招聘(2名)
6 年制学部における卒前のアドバンスト研修として新たな海外研修制度を一環にとりいれるべく、協定校の教員(Ms. Sara Brouse、Mr. Stewart Peterson)を招聘し検討を進めた。派遣学生にとって学問的にも意義のある学習となった。

3)2010年5月9日~8月9日 臨床薬効予測業務インターンシップ(大学院前期博士課程:黒沢健)
3ヶ月の長期にわたる米国企業(Cognigen Co.)でのインターンシップを通じてグローバルな最先端の医薬品開発環境を体験した。

4)2011年2月23日~25日 台湾の創薬化学および薬学教育に関する交流(引率教員:須貝威、大学院後期博士課程:金谷貴行、小泉晶彦)
2月24日 台湾国立大学薬学部;2月25日 Academia Sinica生物化学研究所
台湾で唯一6年制臨床薬学プログラムを先導する台湾国立大学で討論し、日台の新教育システムの課題を明確にした。創薬研究では大学院学生同士で生の討論を深めた。共通言語である英語の能力と日本の文化や風土、気候など、自国への理解が必要であることを改めて感じた。

5)2010年9月22日~30日 米国イリノイ大学、アイオワ大学の薬学部での薬剤経済研究に関する意見交換会への派遣(引率教員:橋口正行、大学院前期博士課程:村田七海、菊浦雅文、横井伸至、後期博士課程:内倉健、宮脇久美香)
9月23、24日 イリノイ大学シカゴ校薬学部;9月27、28日 アイオワ大学薬学部
薬剤経済学の研究者や米国人学生との意見交換を通して、薬剤経済学の教育方法や米国民の医療保険に対する考え方を知ることができた。この研修は未来を先導する薬剤師の育成、本学の6年制教育ならび大学院のあり方、また、その課程における研究テーマの設定に関し大変参考になった。

参加者の声

公募プログラム

薬学研究科後期博士課程1年

中国では生活の一環として生薬を頻繁に用いており、ありのままの生薬をどのように用いるのか、その考え方が日本よりも突出していた。(後略)。


薬学研究科修士課程1年

今回の研修を通して、アメリカにおける薬剤経済学研究は、医薬品の経済評価とともに、より薬剤師の臨床活動に注目し、その経済評価を行うことを試みていること、またその教育体制、教員についても薬学部の中で確立していることを感じた。(後略)。

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