2012年度公募プログラム

高大連携による国際協力プログラム ―カンボジアでの体験学習を中心に―

活動代表者

高等学校教諭 原田亜紀子

原田亜紀子「他者との豊かな共生」について、途上国との関係や先進国の役割、といった観点から考えるプログラムです。カンボジアを対象国とし、2つのNPOと協働しながら、事前学習を校内で実施します。現地ではNPOを通じ貧困層の家庭や学校、コミュニティファクトリーなどを訪問し、現地大学生との交流を行います。本プログラムの参加者が、長期的な問題意識を持ち行動する人物となることを期待しています。

活動内容

 活動内容は大きく、1.事前学習 2.スタディツアー 3.事後のふりかえりの3つにわけられる。
【事前学習】
(1)テーマごとの事前学習
歴史・文化・政治・経済などのテーマを生徒が選択し、教員や大学生の指導のもと文献やドキュメンタリーを使用してまとめ、日吉祭ではその成果を冊子として配布し、プレゼンテーションを行った。

(2)言語のブラッシュアップ
・「英語学習会」
プノンペン大日本語学科の学生との交流は英語と日本語の両方が必要であるため、英語の資料を読み込み、要約やディスカッションを行う「英語学習会」を実施。
・「クメール語講座」
上智大学の朝日由実子先生をお招きし、クメール語講座を実施。

(3)他大学やNPO(「かものはしプロジェクト」「幼い難民を考える会」)との協働
・上智大学教育学科北村友人先生による、カンボジアの教育政策についての講演
・NPO「かものはしプロジェクト」職員による、カンボジアの児童買春問題についての講演
・「幼い難民を考える会」の参加型ボランティア「みんなで布チョッキン」を日吉祭にて実施。カンボジアのシルク製品を販売。

(4)現地での交流内容の検討
小学校訪問、プノンペン大学生との交流、農村地域青年団との交流などの内容を班ごとに相談し交流プログラムを作った

【スタディツアー】
2013年2月24日(日) ~2013年3月2日(土) 7日間 
*本年度はアンコール遺跡修復見学と音楽教育団体Miloの訪問が新たに旅程に加わった。      
旅程表

旅程
宿泊
1日目
成田→(ホーチミン経由)プノンペン プノンペン泊
2日目
プノンペンで活動
・トゥールスレン刑務所・キリングフィールド見学
・マーケット見学
プノンペン泊
3日目
プノンペンで活動
・「幼い難民を考える会」のサポートにより小学校訪問と交流・子供の家庭訪問、「幼い難民を考える会」事務所訪問と質疑応答
・プノンペン大学日本語学科を訪問。大学生と交流。
プノンペン泊
4日目
シェムリアップへ移動
シェムリアップで活動
アンコール遺跡見学
シェムリアップ泊
5日目
シェムリアップで活動
アンコール遺跡修復現場の見学
農村地域青年団との交流
シェムリアップ泊
6日目
シェムリアップで活動
・カンボジアで音楽教育活動を行っている団体「Milo」を訪問。代表者の講演とリコーダー40本を寄付
・「かものはしプロジェクト」が運営するコミュニティファクトリー見学と家庭訪問
シェムリアップ泊
7日目
シェムリアップ→プノンペン→成田  

参加者の声

公募プログラム

慶應義塾高校3年生

スタディーツアーで一番よくわかったことはコミュニケーションの大切さだ。他人と話すことは自分に新しい知識を享受させるとともに意思疎通ができることの喜びをもたらしてくれる。
現代人が依存しがちなSNSはあくまで手段。そうした軸を自分に置くことでやるべきことが見えてきた。
これから大学生になって新しい友達が増えるだろう。サークルにも入りたい。しかし大学という枠組みを超えた交流をこれからしようと思う。例えばボランティア活動。今なお東北の復興活動は難航している。そこにひとりでいきたい。今回のツアーのように得られるものは絶対にある。


慶應義塾大学2年

物事を考える上では、大局的な視野を持つことも必要である。このプログラムでは、一つ一つの出会いや出来事に時間をかけながら、真摯な姿勢で考えを深める機会が多くあった。その一方で、ある特定の事象に執着しすぎるあまり、かえって問題の核心を見落としてしまう可能性にも注意しなければならない。これからも社会に対する問題意識を持ち続けていく上では、その両者の見方を兼ね備えることが必要になるだろう。そして、カンボジアで抱いた問題意識を、日本をはじめとした各地における同様の問題とつなげることが必要である。問題意識を無駄にしないためには、それを単にカンボジアの国内問題として留めるのではなく、日本あるいは国際的な問題に置き換えて考えることも必要になるだろう。そのためにも、まずは今の自分が何をすべきなのかを考えなければならない。
大学という場で、ただ漫然と日々を過ごすことほど無駄なことはないはずだ。当然のように進学する我々だからこそ、その目的を今一度考える必要があるのではないだろうか。

未来先導基金の取り組みにご賛同していただける方はこちらをご覧ください。

ご賛同いただける方はこちら

ページの先頭に戻る