2012年度公募プログラム

中津市における古文書(福澤諭吉関係史料)実習プログラム

活動代表者

福澤研究センター所長 米山 光儀

米山 光儀福沢研究センター設置講座には、さまざまな学部・研究科の塾生が参加し、福沢諭吉や慶應義塾に関わる事柄を学んでいます。一方、中津市では夏にアーカイブズ講座が行われ、福沢関係資料を用いての実習が行われています。本プロジェクトは、講座を中津で実施し、それに塾生が参加することで、「場所の力」も借りて、福沢諭吉を身近に感じながら、慶應義塾で学ぶことを再認識してもらう機会を作ろうとするものです。

活動内容

日程および内容は以下の通りである。 
8月6日(月)
福澤諭吉生誕地・適塾・緒方洪庵墓所・大阪リバーサイドキャンパス・大阪慶應義塾跡見学

8月7日(火)
開校式 中津市内(福澤諭吉旧邸、福澤記念館、明蓮寺、独立自尊の碑 、村上医家史料館、生田門、中津歴史民俗資料館、中津市立図書館)および 耶馬溪・競秀峰の見学。その後、史料修復の専門家尾立和則先生より資料保存や修復技術についての講義

8月9日(水)
実習および講義

 実習では、中津市内の名刹自性寺の襖の下張文書を剥がすことから行った。学生にとっては、襖自体も珍しいなか、襖の表紙を剥がすと中から無数の文書が現れ、そこから様々な情報が読み取れることは驚きであった。またその文書を1枚1枚丁寧に剥がし、位置を記録し、写真撮影するという基礎作業があって、歴史学が成立することも新たな発見であったようである。
 さらにその文書から情報を読み取るためには、くずし字と呼ばれる筆で書いた文字が読めなければならない。くずし字のごく初歩的な講義を行うとともに、実際に文書をどう読んでいくのかも実習した。短時間では、短い文章をパズルのように文字を当てはめて読むことしかできなかったが、それでも学生たちにとっては興味深い作業になったようである。
 歴史を単に物語ではなく、自分と同じような人々の生きた記録であることを身近に感じ、また福澤や慶應義塾について自覚的になるという点では十分な成果をあげることができたと思う。

参加者の声

公募プログラム

法学部1年

史料保存について話を聞くセミナーは、わかりやすくもっとあった方がよいと思いましたが、実習や古文書の解読は難しかったです。もっと丁寧に詳しく解説してもらう時間があれば、助かったと思います。夜ホテルでの自由時間が多かったので、そこで翌日にまわる場所についての簡単な講義などを行うといいと思います。また見学は、スケジュールがタイトすぎてゆっくり見られなかったので、日程を増やすかスケジュールを変更し、もう少し詳しく福澤記念館が見学でき、できれば長崎のゆかりの地も訪ねてみたかったです。


志木高等学校3年

セミナーや古文書の解読もわかりやすかったですが、襖の下張文書を剥がし記録をとる実習が一番面白かったです。福澤記念館の展示にあった諭吉先生のエピソードや名言がすごく感動的で面白かったので、そういうフォーラムがあると面白いと思いました。またただ情報を与えられるのではなく、ワークショップなどより自分達で考える機会があれば、もっと充実した時間が過ごせたと思いました。よい機会なので、もっともっと大人も含めた参加者と交流できる機会があってほしいです。最終日翌日の祭りも普段入れない寺に入れるようだったので、参加してみたかったです。

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