2013年度公募プログラム

「カドベヤ」で考えるまちの在り方

活動代表者

法学部教授 横山 千晶

横山 千晶横浜市中区の寿地区に「カドベヤ」が開かれたのが2010年の6月。毎週火曜日はこの場所を開ける、というそれだけのことが、多くの出会いにつながっていきました。学生たちもこの小さな居場所で、住民の方々と一緒になって企画を生み出してくれています。教室で学んだことは町の中でどう姿を変えていくのか。ブログをのぞいて、ぜひともカドベヤに足をお運びください。  http://ameblo.jp/kadobeya2010/

活動内容

活動は以下の2点を中心に行われた。
1.1,2年の学部生が寿地区や南区の障がいを持つ方々と活動を共にすることで、当事者を通して学び、そこから記録と物語構築へとつなげる「寿プロジェクト」、
2.中区石川町5丁目にある、オルタナティブ・スペース「カドベヤ」を中心に、3,4年生の学生たちが、活動を展開し、包括的な社会の在り方を模索する研究会の開催。

1の活動では春は港北区役所保護課、南区役所保護課、南区の地域活動ホームを訪問し、支援者のお話を伺った。その後就労継続支援B型事務所「てふてふ」の活動に隔週で関わることで、被支援者の方々と行動を共にした。同時にそこでの知見をもとにリサーチを行い、論文の作成にも取り組んだ。2では学生は前期に「創造都市」についての文献購読とリサーチを行ったうえで、毎週火曜日に開催されているカドベヤでの交流活動「カドベヤで過ごす火曜日」に参加者のみならずワークショップリーダーとして加わった。また立教大学、横浜国立大学との合同ゼミも2か月に1回の割合で開催し、成果を発表し合った。
行政、民間の支援者、そして支援される当事者と話し合い、活動を共にすることと同時に、リサーチを行うことで、理想的な教育が展開できた。社会的弱者を切り離して考えるのではなく、社会の中でその存在を認め、サポートしていくというあり方を学生が体得し、今後彼ら・彼女ら自身のコミュニティづくりに生かす土台となったといえる。

参加者の声

公募プログラム

法学部1年

1年を振り返ると、この授業は充実していたと言えると同時に苦労や悩まされることも多かったとも言えます。メンバーは先輩達だけで、ただ街の動きを見ることだけが好きだった自分には、ついていけない、わからない話題、発想が多々ありました。一方で、今まで受けてきた授業は何をやりなさいと定められた受け身のものであったので、自分でどうするべきかを考えなくてはならないことの連続は、経験としてはとても良い機会になりました。「リサーチ力を磨く」ことは確実にできたと思います。また、自分は自立ということは「自分自身だけでとることのできる行動が増えること」程度でしか考えていなかったのですが、「欲求をコントロールできること」「いかに社会に還元できるか」「小さな成功体験の提供とその場に彼らを引き込む」といった今までに聞いたことのなかった意見を先輩たちが語り、初めてこの曖昧な言葉の意味合いが持つ概念を定めることができたように思います。寿プロジェクトだけでなく、人と接するうえで、このプロセスの持ち方はなかなか重要なものになるのではないでしょうか。


商学部2年

一年間を通して、一つの授業のなかでこれだけ盛りだくさんに色々な経験をできたのは初めてです。後期はほとんどが論文執筆でしたが、前期の様々なフィールドワークで得た経験が、テーマや情報などの直接の形ではなくても強く影響し、活きました。また市役所の方やケースワーカーさんにお話を伺えたことは、普通に暮らしていたら絶対に聞くことができなかったであろう貴重な経験でした。生活保護受給者の方や貧困という問題に対してあのように一生懸命に向き合っている方達と直接お会いして行政に対する考え方が随分変わったと感じています。

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