2013年度公募プログラム

中津市における古文書(福澤諭吉関係史料)実習プログラム

活動代表者

福澤研究センター所長 岩谷 十郎

岩谷 十郎福澤研究センターは、さまざまな学部・大学院の塾生に対し、福澤諭吉や慶應義塾に関わる事柄を知ってもらうためにいくつかの講座を設置していますが、この一方で、中津市に協力し、中津の地で毎夏福澤関係資料を用いてアーカイブズ(古文書)実習も行っています。本プロジェクトは、福澤の足跡を訪ね、中津でのアーカイブズ講座に参加することで、「場所の力」も借りて、福澤諭吉を身近に感じながら、慶應義塾で学ぶことを再認識してもらう機会を作ろうとするものです。

活動内容

日程および内容は以下の通りである。 
8月7日(水)大阪での史跡見学(適塾・除痘館記念室・大阪慶應倶楽部・大阪慶應義塾跡・福澤諭吉生誕地記念碑・慶應大阪シティキャンパス)・古文書勉強会
8月8日(木)開講式 中津市内での史跡見学(福澤諭吉旧邸・福澤記念館・明蓮寺・寺町・村上医家史料館)および講義(「福澤諭吉と中津」「襖の下張文書」)・古文書勉強会
8月9日(金)実習 耶馬溪見学(中津城内独立自尊の碑・本耶馬溪・青の洞門・羅漢寺)

 実習では、医家大江家の襖の下張文書を剥がすことから行った。学生にとっては、襖自体も珍しいなか、襖の表紙を剥がすと中から無数の文書が現れ、そこから様々な情報が読み取れることは驚きであった。またその文書を1枚1枚丁寧には剥がし、位置を記録し、写真に撮影するという基礎作業を見学し、こうした基礎的な作業の元に、歴史学が成立していることも新たな発見であったようである。
 さらにその文書から情報を読み取るためには、くずし字と呼ばれる筆で書いた文字が読めなければならない。初歩的なくずし字や古文書を読むための基礎知識に関する講義を行うとともに、実際に文書をどのように読むかも実習した。本年度は、夜間に宿舎で予習・復習を行う学習の時間を設けた。
 歴史を人々の生きた記録であると感じ、また福澤が掲げた目的や慶應義塾について自覚的になるという点では、十分な成果をあげることができた。

参加者の声

公募プログラム

女子高等学校1年

大阪中津の研修旅行で一番心に残っていることは、なんといっても襖を剥がす作業の講座です。明治のころの手紙が出てきたときは本当に感動しました。1枚の襖が100年近くの歴史を繋いでいると思うと本当に感激です!古文書を読むことに対しては始め不安があったのですが、講座で食べ物の名前を解読してみて、わかりやすかったし興味がわいてきました。まだ学校で古文書などはやってないですが、これからもっと勉強したいな、と思いました。重要な古文書を手で触れられたのもうれしかったです。いろんなことをたくさん学べる良い機会になりました。ぜひ来年も参加したいです。


文学部3年

日数や見学場所も適度で、セミナーや文書解読もわかりやすく、回数もちょうどよかったと思います。襖の解体は、あまり経験できない体験で非常に勉強になりました。手紙も面白かったですが、セミナーで新聞なども読んでみたいと思いました。もう少し生徒同士の交流を深めるイベントがあっても良かったかなと思います。来年度は古文書の内容にもっと触れられる企画でもいいのではないかと思いました。

未来先導基金の取り組みにご賛同していただける方はこちらをご覧ください。

ご賛同いただける方はこちら

ページの先頭に戻る