2015年度公募プログラム

商学部Global Passport Program (GPP) Overseas Field Trips

活動代表者

商学部教授 三橋 平

三橋 平本プログラムを通じて,世界の最前線で発生している問題とそれに対する取組を経験知として学び,さらに有効なアプローチを議論へとつなげることで,理論に即し,現実の問題を解決する能力を高めてほしいと考えています。

活動内容

本プログラムの特徴の1つは,単に研修先に訪問して情報を収集するだけでなく,事前学習に基づいたプレゼンテーションの時間を各訪問先で設けていただきました。そのプレゼンテーション準備のためのゼミ形式ミーティングを,2015年10月20日,11月10日,11月28日,12月22日,2016年1月19日,2月6日,2月27日の合計約15時間行いました。加えてチームごとに,担当教員との個別ミーティングの時間を設け,準備を行いました。さらに,参加学生には,事前学習に際しては,最低でも1件の国内ヒアリング実地調査を課しました。学生は,横浜市文化観光局,GoPro社日本法人,Electronic Arts社日本法人,田園調布雙葉高校,カカオトーク社日本法人などに訪問し,プレゼンテーションに必要な情報収集を行いました。

 現地訪問先は担当教員が2015年10月から交渉を開始し,準備を行いました。既存のネットワークに加え,新たにコンタクトを作り,訪問先を開拓し,さらに,学生自身も訪問先の交渉に参加させることで,学生の参加意欲を高めました。この結果,2016年3月1日からの研修は以下のスケジュールで行うことができました。
3月1日 Hotel Nikko San Francisco
3月2日 JETRO GSVLab,Gengo.com,and Samsung Electronics Semiconductor
3月3日 University of California Berkeley, a class of Professor Daniel Himelstein, a class of Professor Frank Schultz, and a session by Professor Steve Vogel
3月4日 Electronic Arts, San Francisco Travel Association, and Kikkoman USA
3月7日 Alibaba, bTrax, and DropBox
以上の13の訪問先に加えて,インフォーマルな形で,米国で活躍されている方々からお話を聞きたいというリクエストがあったため,3月6日にはサンフランシスコ三田会の方々とのミーティングおよび会食,3月2日は日本総領事館経済担当副領事との会食,3月3日は義塾関係者との会食,3月7日はツイッター社のエンジニアとの会食の機会を設けました。

 このような機会を設けたことによって,学生からは,大きく分けると以下の3つの反応がありました。
第1に,自分の頭で考える,主体的に考える,と言葉では分かっていたが,米国学生の態度や取り組み方,この地で活躍されている方々の考え方に触れることで,実際にはどういうことなのかが分かった,という反応がありました。
第2に,今回参加した学生は3年生であったこともあり,自らの進路や将来について改めて深く考える機会になったといいます。例えば,日本の労働市場で就職するのは「タイタニック号の一等客室のチケットを皆で奪い合うようなもの」という考えや,広々としたオフィスで自由闊達に議論を重ねるサムソンの社員の方々を見て,漠然と考えていた将来プランを見直す契機になったようです。
第3に,スピード,多様性,ネットワークに特徴づけられるシリコンバレー流を肌で感じる,それを全面的に受け入れるのではなく,社会・経済システムの経路依存性を改めて認識し,これまでの日本の強みを理解した上で,どのように,これらの特徴を取り込むべきなのか,という議論を深められたことです。

参加者の声

公募プログラム

商学部3年

私はOFT を通して、主に二つの大きな学びがありました。一つは、ベイ・エリアの労働環境や考え方です。これをどう日本流にアレンジして、良い成果を生む環境にしていくかについて、更に考えを深めたいです。もう一つは、アメリカは多くの物事が本当に自由な経済のもとに動いているということです。例えば、ホームレスの問題だと、地域への人口の集中による住宅価格の上昇で、家賃を払えなくなりホームレスになることがあると聞きました。これらは、オフ・キャンパスでの学びを重んじる GPPならではの学びだと思います。


商学部 3年

OFTでは、教授の篤いサポートをいただきながら、シリコンバレーでの成果主義を前提としたスピード重視の商習慣、そしてスキルや専門性獲得の重要さを学びました。また、その環境故にUCバークレーの学生が本気で勉強に向かう姿を見て、日本の学生との大きなギャップを感じています。この気づきを就職活動前に得られたのは幸いです。今後はOFTでの発見から、自分自身のキャリアと残り1年の学生生活を再考し、OFTで見てきたベイエリアで輩出される人材と少しでも競合できるよう研鑽してまいります。

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