2015年度公募プログラム

『福翁自伝』からのメッセージ ―義塾のアイデンティティーに遡る道―

活動代表者

福澤研究センター所長 岩谷 十郎

福澤研究センターはその設置講座を通して、学部生や大学院生に向けて、慶應義塾の歴史や福澤諭吉のことについて学ぶ機会を提供しています。このプロジェクトもその一環として位置づけられます。参加する塾生は高校生から大学院生まで、福澤の足跡を訪ねつつ、大阪に始まり九州に至る歴史の旅を、当センターの教員や所員の専門的な説明の下に経験していただきます。福澤が幼少・青年期を過ごした中津の地という「場所の力」も借りて、諭吉の青年時代をより身近に感じていただきたいと思います。

活動内容

日程及び内容は以下の通りである。
8月6日(木) 
大阪での史跡見学(慶應義塾大阪シティキャンパス・龍海寺・適塾・除痘館記念資料室・大阪慶應義塾跡・福澤諭吉生誕地記念碑・大阪歴史博物館)および『福翁自伝』読書会
8月7日(金) 
中津での史跡見学1(増田宋太郎生誕地・福澤諭吉旧邸および福澤記念館・中津市学校の門(生田門)・村上医家史料館)および古文書講座・『福翁自伝』読書会
8月8日(土) 
中津での史跡見学2 (明蓮寺・中津城「独立自尊」記念碑・耶馬溪・競秀峰・羅漢寺)および古文書講座

 初日は大阪の関係史跡を見学したのち、京都に宿泊し、夕食後には3つのグループに分かれて、『福翁自伝』の読後感想や疑問点について話し合った。
 2日目は中津に移動し、福澤旧邸・福澤記念館の見学を行った後、中津市立小幡記念図書館で古文書の解読方法に関する講座を行った。夕食後には前日と同じ3つのグループに分かれて、『福翁自伝』からどのようなメッセージを受け取るかについて話し合い、最後にグループごとに発表を行った。
 最終日の古文書講座は資料保存や修復の専門家である尾立和則先生から、襖の下張り文書の剥がし方や整理方法について講義を受けた。また前日にひき続き古文書解読の実習を行った。講座終了後は耶馬溪を見学、その後、帰路についた。
参加者は、高校生8名(慶應義塾高4、志木高2、女子高2)、学部生9名(文学部1、経済学部1、法学部5、理工学部1、看護医療学部1)、大学院生1名。なお古文書講座には、中津の東九州龍谷高校の生徒2名が参加、交流も行った。

参加者の声

公募プログラム

経済学部2年

食後ミーティングでのグループディスカッションで話し合う内容が『福翁自伝』というだけで、範囲が広くまとめにくかったです。ディスカッションの前に小講義のようなものを設け、1つのテーマについて、例えば、中津と福澤の関係など、『福翁自伝』から読み取ったり、現地で感じたことを組み合わせてグループで話し合えればよかったと感じました。


文学部1年

2泊3日という短い間ではありましたが、福澤の生きた土地を巡って雰囲気を肌で感じ、また多くの先生方、そしてある程度意識を持った学生と3日間で顔が覚えられるくらいの人数で過ごし、意見を言い合うことができたのは本当に貴重な時間だったと思います。学年・出身高校の違う人がたちから各高校の特色を交えた話を聞くことが出来たのは刺激になりました。私は飛行機が苦手なので飛行機移動があると知っていたら間違いなく参加は見送られていたのですが、今回参加できて本当によかったです。食事もおいしいものばかりでしたし、暑かったためにお茶を差し入れして下さったことも感謝しています。内容の濃い充実した3日間でした。友人にも自信を持って薦められます。ありがとうございました。

未来先導基金の取り組みにご賛同していただける方はこちらをご覧ください。

ご賛同いただける方はこちら

ページの先頭に戻る