2016年度公募プログラム

[幼稚舎]

慶應義塾一貫校における地学教育リソースの共有化プロジェクト

活動代表者

幼稚舎教諭 柊原礼士

本プログラムでは、慶應義塾一貫校の地学教員が、学校の枠を超えた研究会や巡検を通して互いの知識や技術、教材などを共有し、新たな実習や教材の開発を行なうことで、慶應義塾一貫校全体の地学教育の一層の充実を図ります。

活動内容

今回の支援を得て、慶應地学の会の会合を3回、北海道アンモナイト化石発掘巡検、塩原植物化石巡検を行なった。巡検及はそれぞれプロジェクトメンバー(岩出・相場)の専門性を生かしたものである。慶應一貫校の地学を中心とした理科教員同士の交流を深め、地学教育に係る授業や実験等に関する意見や知識を数多く交換することができ、化石を専門としていなかった教員も以前より高いレベルでの教育実践を行えるようになった。各学校における今回のプログラム活動の具体的な実践例は以下のとおりである。
幼稚舎・初等部:(1)理科の授業中に巡検で発掘した化石や鉱物標本を紹介しながら化石とその発掘及びクリーニングの解説をし、実際に児童に触れさせた。
(2)幼稚舎サイエンスミュージアムの特別企画展として展示を行い、朝礼と合わせて学校全体に広く紹介した。
普通部:(1)第一学年理科Ⅱ分野の地質の内容の授業の際に、実際の野外調査の手法について、巡検での体験を元に授業を展開した。具体的には、露頭の様子、地層中にどのように化石が含まれているか、地層からの化石の掘り出し方などについて、現地での写真を交えて解説した。
(2)「星と石の会」という部会活動の一環として、北海道、那須塩原で採集した化石のクリーニングを行った。また、生徒がクリーニングした化石は、9月の労作展にて展示した。
高等学校:(1)高校地学基礎の「地球の歴史の組み立て」の内容において、化石(示準化石、示相化石)の説明、層序や地層の対比を説明、その際に「地質巡検の実際」の紹介として、北海道羽幌巡検の写真をスライドショーにて演示。さらに、化石クリーニング環境を整えたので、採取した岩石から化石部分を剖出し、標本として種が同定できるようになるまでの工程を紹介した。
(2) 同じく高校地学基礎の「地球と生命の進化」の内容において、実際に教師が採取してきた標本 を利用して中生代の重要な示準化石であるアンモナイトの説明を行った。
志木高:化石の紹介のほか、巡検の直後にあった3年生の気象についての選択授業で、ちょうど巡検の直前の8月末、北海道に洪水をもたらした台風(9・10・11号)についての話題を取り上げた。
SFC:地層の学習中に、塩原で採取した標本を利用した平行葉理の観察を行なった。

参加者の声

公募プログラム

幼稚舎5年

数億年前のアンモナイトがそのまま化石になっているというのが何とも不思議。そして時間を超えたアンモナイトとの出会いはまさに「運命の出会い」だと思いました。


普通部3年

普段見ることのできないような大きな化石をクリーニングできて楽しめた。僕がクリーニングしたのは25 cmくらいの大きなアンモナイトだったのだが、余分な部分をうまく砕いて分離させて調子に乗ったせいで、本体を割ってしまったりと失敗もあった。しかし、その破片にも小さい化石が含まれていたりと驚くことも多かった。

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