2017年度公募プログラム

[法務研究科]

国際機関インターンシップ派遣プログラム

活動代表者

法務研究科教授 青木節子

国連宇宙部や世界知的所有権機関(WIPO)などの国際機関で1ヵ月程度、国際法務のインターンを務め、将来の夢の実現に備えます。1人でも多くのグローバル法務専攻生の応募をお待ちします。

活動内容

1. 国連宇宙部への派遣
ウィーンにある国連宇宙部に半年間インターンとして勤務することとなった。競争的過程を経て、2017年12月初旬に勤務が決定し、2018年1月14日に渡欧した。仕事の内容は以下のものである。2018年1月29日から2月9日まで開催されていた、宇宙空間平和利用委員会科学技術小委員会(科技小委)において、他のインターンとともに、各議題でConference Room Paper(CRP)を提出する国とのやりとり、そのCRPの形式を整えた上でのウェブアップ、各議題での各国発言の要旨作り、それに基づく、科技小委報告書づくりの準備などを行った。特に2月9日以降は、国連宇宙部の科技小委担当職員の指示に従い、最終報告書づくりを他のインターンとともに行っている。これは国連公用語すべて(英仏露中西に加え、アラビア語)において完成させることが義務づけられており、翻訳により生じる意味のずれなどの修正を各国からの要請に基づき行い、正しい版を作成することが必要とされる。また、2018年は、最初の国連宇宙会議が開催されてから50周年に当たるため、UNISPACE+50という行事が2018年6月にウィーン国連本部で開催されることになっている。業務は、UNISPACE+50の準備要員として、UNISPACE+50関連の文書づくりの下調べ、各国間の調整のための連絡、等を国連宇宙部職員の指示の下で行っている。また、4月9日から4月20日は、宇宙空間平和利用委員会法律小委員会(法小委)が開催されるため、3月は、そのための準備の補佐をしている。たとえば、宇宙デブリ低減のために自国が取る措置、新たに作成した国内法や免許規則などの報告が国連加盟国から提出されるが、それらを分類し、提出順序や議題との関係を考慮しつつ、法小委で配布する文書を纏めること、時期が間に合う文書については、国連公用語すべてに翻訳されるように手配すること、などがその仕事である。

2. シンガポール国際商事裁判所(SICC)への派遣
学内選考を経て、2018年2月から3月にかけての2週間、派遣した。
帰国後には、法務研究科専任の指導教授の下で、ニューズレター用原稿と報告書を作成し、実施報告としてHPに掲載する予定である。なお、SICCへの学生派遣は、来年度以降も継続する予定である。

参加者の声

公募プログラム

法務研究科1年

多くの学生にとって資金補助なく海外でのインターンシップに参加することは、特に私のように無給の場合、容易ではないと思われ、効果的に学生の活動を促していると思う。他のインターンのほとんどもそれぞれの学校やあるいはEU等から何らかの資金補助を受けているようであり、競争の面でも意義があるのではないか。インターンシップについても、国際機関での就職を視野に入れている学生にとってはその第一歩といってよい機会であるし、各機関が扱っている分野での修士課程や博士課程在籍者も多くおり、そういう環境に学生を派遣することは大学という教育機関の理念にもよく沿うものと思う。海外インターンシップが留学とは異なる学生の活動の一つとしてより広く認知され、この基金が有効的に活用されることを期待する。


LL.M.

Internship Comment – Singapore International Commercial Court („SICC“)
The Internship provided deep insight into the Courts work. As the Court is a young institution, existing for only about 3 years, naturally the establishment of its jurisdiction and the creation of precedent is currently the most important task.
Being a Part of the Singapore Supreme Court the SICC so far received most cases that were redirected to them. However, during my internship, the Court received its first own case as the dispute resolution body of choice. For the SICC this could very well be the first step to becoming the most important international commercial litigation court in South East Asia.
During my internship, I had the pleasure to work with a former UK high court judge who now is employed as a SICC-judge in Singapore. He gave me first-hand insight into how the court works, including trial preparations (e.g. pre-trial conferences with the parties) and into the actual court work during the trial, between sessions, and after the final submissions. For me, it was a valuable experience (as I am a civil law lawyer) to observe the work of the court and the attorneys, as the trial was a common law trial on a very high professional level.
In conclusion, can be said that the SICC works highly efficient while being very accurate and precise about all aspects of the trial. If the future influx on cases, that is sure to increase, will be handled in the same matter as the proceedings I had the chance to observe, the SICC is sure to be a successful model.
I feel greatly indebted to the SICC and all its employees who helped me to get this valuable first-hand experience and of course everybody at the KEIO university who made it possible.

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