2008年度公募プログラム
宇宙授業の継続とサンプルリターンミッション(JAXA)の実施

活動課題(テーマ)
全塾的な拡大宇宙授業の実施とJAXAによるサンプルリターンミッションの地上支援
担当
女子高等学校 教諭 小林 秀明
よく宇宙授業の名称から、宇宙関係者による講演や実験を連想されます。しかし本校の宇宙授業では,ベクトルの矢先は宇宙に向きつつも、ファッション・CM・ものづくり・詩の創作などテーマは身近なものです。
主な活動メンバー
東日本国際大学教授 浅井義彦
栗山法律研究所所長 栗山 馨
JAXA『宇宙連詩』『サンプルリターンミッション』担当 山中 勉
JAXA 宇宙基幹システム本部宇宙環境利用センター 谷垣文章
都立大泉高等学校教頭 大島 良
セット・スクエアー・ワン社長 岸野敏彦
新潮社メディア部部長 岡田雅之
事務担当部門
女子高等学校事務室
1.宇宙授業の実施(詳細は女子高等学校Web サイト参照)
【第9 回】「インスタントラーメン 日本から世界へ そして宇宙へ!」
(平成20 年6 月28 日(土)13 時開始)
演者:松尾伸二氏(日清食品(株) 中央研究所)(約1 時間30 分)
講演内容:世界初の宇宙食ラーメン「スペースラム」の開発に纏わる話と今後の宇宙食について
語っていただいた。
※ 聴講者は生徒・保護者・関係者を含め約200 名。
【第10 回】「宇宙で生活するための快適なスペース・カジュアル・ウエア」
(平成20 年12 月1 日(月)15 時開始)
演者:多屋 淑子氏(日本女子大学大学院 家政学部教授)(約1時間30 分)
講演内容:宇宙ステーション内の船内着の開発、およびこの技術が障害者の方々の衣服に利用されていることを伺った。
※聴講者は生徒・関係者を含め約150 名。三田キャンパス 北館ホールを使用。
【第11 回】「全ての人と、星空の素晴らしさと感動を共に」
(平成21 年2 月24 日(火)15 時開始)
演者:大平 貴之氏((有)大平技研)(約1時間30 分)
講演内容:プラネタリウムMEGASTAR-II の上演と、プラネタリウム作りへの情熱などを聞かせていただいた。
※聴講者は生徒・関係者を含め約250 名。三田キャンパス 北館ホールを使用。
2. 教育活動への参加(詳細は本校Web サイトにあります)
「慶應義塾 創立150 年記念 JAXA 宇宙飛行士 星出彰彦先輩が語る「Design the Future -宇宙、そして未来へ-に参加」
(平成20 年10 月13 日(月・祝))
内容:星出氏による基調講演の後、安西塾長と星出氏をパネリストにお迎えし、会場のほかインドネシア・マレーシア・タイとを衛星高速インターネット(SOI asia)で結びパネルディスカッション(司会:小林)が行われた。最後に慶應義塾創立150 年のお祝いと星出氏への応援メッセージを詩に託した慶應女子高「校内宇宙連詩」が的川泰宣氏からのビデオメッセージとともに披露された。
「アジア生物学教育協議会第22 回隔年会議(AABE22)で発表」
(全日空ゲ-トタワーホテル大阪 平成20 年11 月22 日)
内容:本学会の主な構成員は、アジア諸国の小学校~高等学校までの理科教員である。この学会では慶應義塾の『宇宙授業』の活動を広くアジア諸国の教員に知ってもらうこと、また、今後の協力体制を築くことなどを主な目的に発表をおこなった。さらに、日本の宇宙開発の現状と教育への利用方法などJAXA の方針も併せて紹介した。将来的には慶應が構築しているSOI asia を利用した交流の実現を訴えた。
成 果
今年度の宇宙授業では、関西圏からの講師を招聘することができ、今まで以上に広い分野から宇宙授業を展開することができた。また、宇宙授業の骨子でもある「衣・食・住」という身近な日常生活から見た宇宙では、連続して衣と食についての授業を聴くことができ、参加した聴講者にとっては、宇宙がより近づいたと思う。10 回の節目を迎えた宇宙授業では、三田キャンパスの北館ホールに会場を移し、本校生徒だけではなく多くの塾生・保護者・卒業生も参加者し、着実に層が厚くなってきた。第11 回目の宇宙授業では、暗くできる北館ホールの利点を最大限に生かしたメガスターⅡによるプラネタリウムを上映した。講演活動等で引っ張りだこの大平貴之氏をお迎えし、子供のころから自作し続けているプラネタリウムの製作秘話や情熱を語っていただき間違いなく聴講者に感動を与えた。
創立150 年記念 星出彰彦氏の講演会では、今まで培ってきた本校の宇宙授業のノウハウを発揮することができた。無重力の不思議を、会場を埋め尽くした聴講者とともに、ゲーム形式で解き明かすことができた。特にアジア諸国の学生がネット(SOI ASIA)を通して参加できたことは、次年度の宇宙授業の目標とも合致し有益であった。また、慶應義塾の150 年を祝う意味と星出氏への応援メッセージをこめた校内宇宙連詩が、安西塾長と星出氏の前で披露できたのも本宇宙授業の大きな成果である。非営利団体KU-MA 代表の的川泰宣氏からのビデオメッセージも同時上映され、関係各位の協力を広く得られるようになったことも嬉しいことである。
目標の達成度合い
活動課題名にある宇宙授業の継続、および拡大については達成しつつある。授業会場を北館ホールに移したことで、多くの層の方々に聴いてもらうことができた。また、今までとは異なった分野の講演者にも来ていただくことができた。サンプルリターン計画についてはJAXA 側と調整しながら現在も進行している。種子や卵などのサンプルは、予定通り「きぼう」の格納庫内で約半年間、無重力下に置かれ地上に持ち帰られている。これらの教育的利用が次年度に引き継がれる課題の1 つでもある。また、校内宇宙連詩については、DVD に保存されて2009 年秋ころに国際宇宙ステーションに運ばれ格納される予定である。
方向性と発展性 2009 年度の宇宙授業では、1.宇宙授業(アジア諸国との連携) 2.「サンプルリターン計画」 3.「宇宙連詩」 が引き継がれる。
- 宇宙授業の継続 従来通り各学期に1 回程度の宇宙授業を実施する。2009 年度一学期には、クマムシという生物と宇宙環境についての授業を予定している。また、音楽などの分野と宇宙とのコラボレーションも実現させたい。さらには拡大宇宙授業として、生徒達にとって将来の羅針盤となるような授業を企画してみたい。
アジア諸国との連携では、AABE 学会で知り合ったアジアの教員とネットを通じた授業を試みてみたい。 - 「サンプルリターン計画」の実施 現在、地上に持ち帰ってきたアサガオおよびミヤコグサの種子やミジンコの休眠卵などを、実際に飼育・栽培し生命現象の差異を検証してみる。そして、これらの観察より得られた知見や新しいアイデアを次回のサンプルリターン計画に引き継ぐ。
- 「宇宙連詩」の継続 JAXA の企画する宇宙連詩への公募の継続。また、新たなテーマによる新校内宇宙連詩の創作を試みる。