2007年度以前|2008年度
■「三田の家」:21世紀的学生街の創出に向けて

文学部仏文学専攻 籾山奈々子
大学のキャンパスに通っているだけでは出会うことのできない、商店街や近隣にお住まいの方々、また他学部の学生や先生方と街を活性化する企画をしたり、ワークショップに参加したりすることは、アカデミックなことだけからは学べない多くの刺激を受けることを期待して、プログラムに参加しました。結果、わたしが予想していた以上に多くの「学び」がそこにはありました。ワークショップでデザインなどの実際のスキルを学んだことはもちろん、さまざまな年代の人と交流することで、コミュニケーションのあり方を学んだり、三田や慶應の歴史の一端に触れたり、先生たちの教育に対する思いを学んだりと、学内ではなかなか得ることのできない経験をすることができたと思います。わたしは就職して社会人になりましたが、研究者にならないわたしのような人間にとって、大学でアカデミックなことだけでなく、また資格のような点数で計るようなものではなく、「三田の家」であったような、人と人との関係を構築する場で適したふるまいをするという無形のスキルと経験は、会社に入ってもどんな場所にいても、ずっと支えになると思います。

法学部政治学科 渡辺久美
それまでの大学生活では出会わなかったような人たちと接することができそうなところに魅力を感じ、参加するようになりました。
気の合う仲間と過ごすことに比べて、文化的な他者と関わっていくということは面倒くさいことも多いです。しかし、多様な職業、生き方を選択している方々と知り合えたことで、それまで当たり前に感じていたこと、当たり前と思い込もうとしていたことから解放され、ありのままの自分でいられるようになったような気がします。
また、まちの人と挨拶を交わすようになったり、自分が制作に携わったポスターを店頭で見かけたりすると、三田のまちに自分が関係していることを感じます。
通学路として通り過ぎていた頃には、チェーン店ばかりが建ち並ぶ面白味のないまちに見えていた三田ですが、まちの人の顔が見え、生活の営みが感じられるようになり、このまちがもっと魅力的になる活動をこれからも続けていきたいと思うようになりました。
■読書交流支援システムの開発と教育的利用実践

中等部 N・R
IRC がはじまるまでは、授業や宿題でだされるから洋書を読んでいた。しかし、始まってからは洋書を自ら読むようになった。インターネットを利用するため、他のことを調べたり動画をみたりするついでにIRC を開ける。リアクション・レポートを作成する際、何をどこに書くかをきちんと欄があるためわかりやすい。そして手書きではなく、感想をタイプできるため楽である。何よりも素晴らしいと思うのは、他の人が書いた感想をもとに次の自分が読みたい本が決められることである。今後はクラスごとではなく慶應義塾全体で和書・洋書、分野を問わず様々な本の批評ができるともっと面白くなるのではないか。

中等部 S・S
IRC は、最初、とても難しそうなものだと思っていましたが、作業は意外に簡単で、ついつい沢山レビューを入れようと、頻繁に本を読むようになりました。IRC の最大の利点は、他人に紹介できて、更にコメントを付けられる所だと思います。これを通じて、自分の読書の幅を広げることができ、自分と好みの本が合う人との交流も図れます。この学習は、ただ単に本を読むだけでなく、その後の感想などを書くことも目的であるので、自分で考える力も必要となります。いかに他人に上手に紹介できるかが焦点となり、それを考えることも一つの学習だと思います。

中等部 N.S
IRC には初めあまり興味がありませんでしたが、ちょっとしたことで僕はIRC に没頭しました。毎日のように英語の絵本を図書室で借りてレポートを投稿した結果、23 冊分のレポートを書きました。このIRC をやることによって、英語に興味を持ちました。真面目なことがきらいな僕にはとてもあっていたと思います。しばらく読んでいると、内容が大分わかるようになり、英語力がついた気がしました。本を読む中で楽しみながら単語や文法も学ぶことができます。これからもIRC と英語の勉強、両方とも頑張って英語が簡単に話せるように、書けるようになりたいです。
■世界の先導者SFC招聘プログラム

政策・メディア研究科 平尾智明
私がオコナー塾の企画に参加したのは、義塾に何か貢献したいと思ったからである。阿川学部長から本企画への参加をお誘いいただいた際はすぐに快諾した。私に期待された役割は、社会人経験を有する大学院生として、先生方と学部生スタッフたちとの間に立って、先生方を補佐しつつ学部生たちの仕事を監督することだった。
また、学部生にとっては物珍しい事柄、例えば仕事の管理の仕方やVIP の接遇要領などについては、学部生たちに積極的に教示して、彼らがより多くの社会的スキルを体験できるように努めた。いっぽうで、学部生たちの新鮮さから私が刺激を受けることも多かった。
オコナー塾を通じて私が得た成果は、自分の行動の「シーリング(上限)」がより高くなったように感じられることである。人は他者との交流を通じて進歩する。交流の相手が高いところにいれば、自分もまた高いところまで(たとえ錯覚であっても)行けそうな気になるものである。少なくとも、そのようなモーメンタムは生まれる。本企画においては、オコナー判事をはじめ、義塾の教員・職員の方々、学部生たち、さらには米国大使館員やお寺の住職様など、様々な方と交流を持つことができた。義塾に貢献するとともに、自分自身がこれまでよりもいろいろなことができるような気になっていることが収穫である。
■チームケアを目指したインタープロフェッショナル教育プログラム
-医・看護医療・薬 学生合同ワークショップ-

看護医療学部 野瀬友望
このWS に参加して一番学んだことは、学部間の問題把握・問題解決の視点の違いを学生の発言や問題の捉え方から学ぶことができたことである。例えば医学生は臨床や治療、薬学生は薬やその副作用から、看護学生は対象の尊厳や生活の質といった観点から問題を把握し、その思考を中心に問題解決に取り組む姿勢が感じられた。そしてこのような価値観の差を活かし、より良い医療につなげて行くためには、各職種や各人がコミュニケーションを工夫する必要性も感じた。これ以外にも様々な学びを得ることができ、普段の大学の授業とは異なる形式で楽しみながら学ぶことができ、良い刺激になった。このWS の価値や参加した意義や必要性を本当に実感できるのは、それぞれが実習や臨床に出た時ではないかと思う。今後も是非継続的にこのWS を開催し、参加者が増加し、学生皆が学べるように発展することを願っている。

看護医療学部 中野香織
私にとって、患者と会話をすることは特別なことではなく、難しいことではないと思っていました。しかし3 学部合同ワークショップで、同じ班でディスカッションを行った薬学部の学生に「患者さんとどのように会話すればいいか分からない。看護の皆さんにぜひ教えてほしい。」と言われ、私は驚いてしまいました。それぞれの専門職種によって得意・不得意とすることが違うということ、そして私たちはそれをお互いに補いあわなければいけないことを初めて知りました。普段の看護医療学部の講義だけでは、このようなことを知ることはできなかったと思います。3 学部合同ワークショップに参加して、医学部・薬学部の学生がどのような考え方をしていて、何が得意で、何が苦手なのかを知ることができ、とても有意義だったと思います。これからもぜひ、3 学部合同のワークショップを続けてほしいと思います。

薬学部 豊守祥亮
参加した主な理由は、医学部生や看護医療学部生とはキャンパスが違い話す機会がなかったので、どのようなことを学んでいるのかを知りたかったからです。グループワークでは、学部による考え方の違いに驚きました。例えば、薬の過剰投与による医療過誤を考えたとき、薬学部生である私はまず薬剤師の疑義照会、薬薬連携などに不備があったのではないかと考えましたが、看護医療学部生は「医師の処方指示に看護師が疑問を感じられないだろうか。」と、皆に問いけました。その発想が私にはなく、看護医療学部で学んでいるからこそ、初めにそれを思い付くのだろうと感じました。さらに話し合いの中で、それぞれの専門分野の視点から意見が多く出て、議論がより深まりました。他学部生がどのような勉強をしているかも知ることができ、他職種の専門性を理解し、自己の専門性を再認識する上でも役立ったと感じています。
■宇宙授業の継続とサンプルリターンミッション(JAXA)の実施
女子高等学校 會田有璃
宇宙授業の良いところは、「1回の感動で終わり」ではない所だと思います。講師の方の分野が幅広く、今までなら読み飛ばしていたかもしれない新聞記事を身近に、あるいは載っていないことまで知っているという嬉しい感覚を味わうことが出来ます。また、「まいど1 号」の青木さんがテレビに写った時などは、懐かしさで熱いものが込み上げてきました。授業後も何度となく楽しむことができるのが宇宙授業なのです。私は司会とアシスタントを務めましたが、企画の打ち合わせから参加し、高校生の視点も入れつつ進行できたのは新鮮で貴重な体験でした。特に星出彰彦さんとお会い出来たことは一生の宝物です。高校生の私にも優しく、輝いている大先輩を目の前に、その日は、宙にも浮いた様な気分でした。世間でも宇宙への関心が高まる中、宇宙授業が生徒の興味と夢を広げる伝統となりますように。
女子高等学校 徳丸晃子
私が宇宙授業に参加したきっかけは、以前から宇宙という未知なる世界に興味があった事です。今回のプラネタリウムクリエイターの大平貴之さんのご講演では、実際に会場全体に星が輝く素敵なプラネタリウムを上映していただきました。その演出と、映し出される星の美しさに、私は強く心を打たれました。また、自分が興味を持った物事に積極的に取り組み、その目標を達成する為に努力を続け、決して諦めないで前に進むことの大切さを学びました。高校生という大人と子供の狭間の青春時代において、大きな夢を持つ事に臆病になってしまう人も多いと思います。しかし、今回の宇宙授業を受けた事により、私も自分の持った夢には希望を持って取り組み、いつの日か達成したいと思いました。
女子高等学校 松田有穂
授業は、私の想像以上にとても素晴らしいもので、メガスターが上映された際の女子高生の反応もとてもよく、私もあまりの美しさに感動しました。また、幼い頃からの興味、好奇心をいつまでも持ち続け、次々と目標を達成していく大平さんの姿に感銘を受けた聴講者も多くいると思います。「間接的に宇宙と関係している方々の講演を通して、女子高生により宇宙を身近に感じさせたり、宇宙に対する新たな視点を提供する」、「宇宙授業を通して、講演者の方の考え方、生き様を知る」、そのような宇宙授業のコンセプトによくあっていて、プラネタリウムなどあまり行くことが無いであろう聴講生に、宇宙の綺麗さ、プラネタリウムの素晴らしさ、また一つのことに熱中していく一途な生き様を知るいい機会を作ってくださった素敵な講演でした。
■グローバル化時代の政治学総合教育

法学研究科特別研究員 井岡博
『金京寿教授による授業について』
世界では、国連軍縮特別総会をはじめ非核地帯条約など兵器の不拡散に力を投じている。しかし核兵器と生物化学兵器など、さらに一般兵器も増強および拡散している。このような状況において大量破壊兵器の問題について基礎的な知識を身につけておくことは重要であろう。その意味において本講義は十分に課題を達成したと判断される。とくにパワーポイントを利用した解説は、英語や技術的な用語に不慣れな文系の学生にも視覚的にわかりやすく理解させることを可能にした。ただし、大量破壊兵器に関する講義では歴史や国際法、さらには科学技術などの広い側面が扱われなければならず、やや議論が拡散してしまった観があったことは否定できない。

法学研究科政治学専攻修士課程 市毛きよみ
『フランク・デルマルティーノ教授による授業について』
本授業は、ヨーロッパ人からみた欧州統合であり、EU の一視点を紹介する性質のものである。内容は歴史、機構、政策決定、憲法条約からリスボン条約、条約形成過程、さらに国際関係における位置づけ、拡大、アクター性と幅広く、かつアカデミックな意味でも実際の国際政治の意味でもアップデートされた専門的なものであり、非常に有意義な授業であった。この点に関して、EU を専門にする学生にとってはもとより、EU の初学者にとっては前半の機構的なところは専門用語が多く、また情報も新しいところからわかりにくかったところもあったかもしれないが、トピックとして広範にカバーしていたので、これからの学習の指針としての有用性は十分にあった。
■幼稚舎サイエンスミュージアムの構築と教育的な活用Ⅱ

幼稚舎6 年生・男子
理科室のすぐ近くや廊下の通り道にミュージアムがあるので見たいときにすぐに見られるのはすごくいいと思う。

幼稚舎6 年生・男子
小学校に博物館なんて普通はないけど、いろいろな標本が増えて博物館みたいになってきたのはすごく嬉しい。
■「慶應義塾への導入プログラム」―正課外教育を中心に―

法学部法律学科 中村彩(「塾生交流in 立科2008」参加者)
入学当初、内部生の私は外部生と関わるきっかけがなかったため、内部生同士で固まって生活していました。そんな時に「塾生交流」の参加者募集が目に留まり、さっそく応募しました。友達作りが目的で参加して、実際に様々な活動を通して男女問わず仲良くなれたと思います。特に自然散策での、お互いに励まし合い見事登頂することができた山登りによって、絆を深めることができました。バーベキューや花火といった夏ならではのことを、気候の良い立科山荘で経験できたことも良い思い出です。また懇親パーティーも含め、食事が美味しくて大満足でした。そしてパネルディスカッションや発表会は「大学生活は何を意識して、どのように過ごせば良いのか」を改めて考える機会を与えてくれて大変有益なものとなりました。本当にこの交流会に参加して良かったです。上級生スタッフをはじめ、学生総合センターの方々、教授の皆様、ありがとうございました。

商学部 山口美穂(「塾生交流in 立科2008」上級生スタッフ)
私は実施プログラムを計画、運営する学生スタッフとしての参加でしたが、塾生交流を通して、私自身、沢山のものを得ることができました。中でも一番は、友達です。大学では多くの出会いがありますが、塾生交流での出会いは格別でした。携帯のアドレス交換一つで「友達」になれる現代ですが、「真友」にまで至る関係を築くのはなかなか難しいものです。立科で、教職員の方々のお話をきき、そのうえで塾生同士ディスカッションをするという貴重な機会を与えて頂いたことで、互いに、人生について、あるいは、未来について、語り合える「真友」を得ることができました。自然散策、ドッヂボール、鬼ごっこ、クイズなど、特別なものは何も用意しなかったのですが、かえってそれが、友を得るに良い環境であったように思います。無邪気に遊ぶ楽しさや、真剣に語り合う楽しさを、今後の人間関係にも生かしていきたいと思います。
■「声」を考える ―
一貫教育から高等教育における実践と新しい教育モデルの提示

志木高等学校2 年・男性(「能」と「声」の授業におけるアンケート)
入場する前まで不安と緊張を隠しきれない23 人だったが、「一発やってやるか」と勢いに乗り、そのまま乗り切ったという様子だっただろうか。謡い終わっても興奮から覚めやらず、皆からも笑顔が出ていた。結論を言えば大成功だったと思う。 直前になって謡いの内容が思い出せない、そんなこともあったが、あれだけ練習しただけあってか「長刀やがてー」と大声で謡いだせば口が覚えていたのか自然とすらすらと、ほぼ無意識にセリフが出てきた。

志木高等学校2 年・男性(「能」と「声」の授業におけるアンケート)
私は少しの心の揺らぎを静め、心の高ぶりを静めた。 「よろしくお願いします」。私は一歩踏み出した。目の前に大勢の人、人、人。私の心は、高ぶり緊張しているはずなのに、何か心が躍った。 そんな心の揺らぎも正座をしたらすべて静かになった。水面。
水面に投げ込んだ小石で出来た波紋がはかなく消えていくように。「なぎなたやがてーとりなおーし…」始まった。 と、次の瞬間「肝をぞ消したりーけるううう」。終わっていた。

大学生(「声と身体と歴史文化の接点を探る教育の実験―大学教養教育における歴史と文学」におけるアンケート)
実験授業のプログラムの中で、多くの体験を得ることができたと思いますが、“連帯”というもの、人と人とのつながりの中で一つのものを目指して創造していくというプロセスを強く感じることができました。普段は芸術的な創作を、質の高低など考えてしまっていますが、こうした場の中を通過すると、「質」ではなく、発表を皆にぶつけることができる瞬間に持っていける強さなのだという風に強く感じました。もう一度、「ものをつくる」ということの根源を見つめ直さなければならないという思いが強くなりましたし、今後の芸術を見る目を変えていく必要を感じます。身体は生活の根源にあるものであり、芸術を考える上でも、一人の人間の根底にあるものとして、同時に根底にあるものだと思います。今回、その思いをさらに新たにすると同時に、人にとって身体とは何かということを、また新たに考えなければならないと感じています。感じることと学ぶことと生きることのあいだにあるものを探ることは難しいことですが、それでもこうして磨耗した感性を磨きなおせれば、一生のテーマになるのかな、と思っています。

法学部法律学科 K.K.(「声と身体と歴史文化の接点を探る教育実践―大学教養教育における音楽実践」におけるアンケート)
まず、一番大きな点として、この「音楽」の授業では一年間を通してバロック音楽に触れ、しかもそれをオーケストラと共に演奏することができた。これは、普通はなかなかできないことで、とても貴重な経験である。私自身、現在も音楽系のサークルに属しているが、扱っている曲のジャンルもまるで違うこともあり、バロックを演奏することはまずない。なので、今後もあるか分からない、本当に貴重な経験をすることができ、今後の活動にも大きな影響があることだろう。
他にも「天才」として名高い武満の音楽に触れたり、あるいは音の音符の表記、4/4がCと表記される理由、また、様々な音楽用語を学ぶことができ、実に有意義であった。
そしてもちろん、単純に「歌う」ことの楽しさを再確認できたことも良かった。しかもこのような大人数での混声を、ましてや大学の授業内で行うことができ、本当に良かったと思う。
ただ一つ、もう少し必要に感じたのは、発声面の指導である。良い発声を身につければ歌うのも楽になるし、なにより全体の質も上がり、それによって歌うことが一層楽しくなる。なので、生意気で恐縮だが、発声面の強化もした方が良いと感じた。
最後になりましたが、一年間の貴重な経験をありがとうございました。
■慶應義塾理工学の歩む道:科学技術の連鎖革新戦略で世界潮流の先導

理工学研究科総合デザイン工学専攻 後期博士課程 岩村俊輔
本シンポジウムでは各G-COE プログラムの活動内容だけでなく、産業界の第一線や海外の大学で活躍されている先生方からのお話を聞くことができ大変有意義であったと感じております。私立大学でG-COE プログラムの採択件数が一番であることは本塾のレベルの高さを表しており、世界トップレベルの優秀な研究者を国内外に輩出してきた教育の場で研究できることに誇りを感じました。また世界的な不況の中、若い世代は将来に対して様々な不安を抱えていると思いますが、パネルディスカッションでの若手研究者への「今こそがイノベーションを起こすチャンスである」という言葉は、不安を払拭してくれる強いメッセー ジでした。博士課程育成のためのG-COE プログラムに参画し、産官学多方面から期待されている中で、私たちがイノベーションを起こすのだという自覚が芽生え、日々の研究に対してさらにモチベーション高く向き合えるようになったと思います。
■中学生対象夏季英語研修プログラム
:中学生対象塾内連携型夏季集中英語研修プログラムの開発

普通部1年
学校で黒板と教科書と鉛筆だけでは学べないことをたった4日間でたくさん自分のものにでき、とても勉強になるとともに自信にもなりました。

SFC 中等部2 年
I really remember my teacher who taught me how to make scones. He was very good at teaching, and also very funny.

中等部3年
最初は学校同士の間に壁があったけれど一日で解け合って、最後にはずっと昔から知っていたんじゃないかと思うほど打ち解けて、別れる時はもう会えないのが信じられなくて、渋谷のど真ん中で周りの目も気にせず泣いたほどです。
■野外に飛び出せフィールドワーク "慶應義塾 夏の学校"

普通部 福家優太朗(真鶴の一貫校連携臨海実習に参加)
自分の好きな事を3 日間も連続で出来楽しかった。自分の知らないもの(ヒラムシとか)を学べてとてもよかったと思う。なかなか大学生の人や高校の人と話をする機会もないのでとてもためになった。

志木高等学校 大友 耀 (真鶴の一貫校連携臨海実習に参加)
初めての参加であったが、とても楽しく充実した2 泊3 日だった。海が近いと言う最良条件の下で、詳しい実験観察ができると思った。始めてみるものでも「なぜ」を考え、突き詰めるのはとても楽しかった。特に、その「なぜ」が生き物にとって生活して行く上で欠かせないものになっていることが分かるとなおさら突き詰めたくなった。自分で積極的に進んで実験や観察をするのが大切で、また、自然と進んでやってみたいと思った。3 日間ありがとうございました。

文学部 谷藤麻衣子(西表実習に参加)
今回の実習は自分にとってかなりプラスになるものであった。もともと環境問題や生態系、またそれに関連する経済市場のあり方について興味があったが、今回自ら西表島(亜熱帯地域)の自然を体験することでその土地独自の自然のサイクルがはっきりとわかった。しかし、海は沖縄だけではない。沖縄の海がきれいで自然が豊であることは重要だが、沖縄の海(現在きれいな海)だけがまもられていけばいいという話にはならない。海は一つである。地球も一つであるし生息する生物がいてこそ生態系のシステムは成り立つ。そのことを忘れてはならないのだということを強く再認識するとともに多くの人と共有していかなければならないことだと感じることができた。とても良い経験ができたのでただの経験として終わらせないように今後の生活、また自分の勉強に活かしていきたいと思った。最後にお世話になった全ての方に感謝したい。
■アーヘン工科大学夏季講座 (「Keio-Aachen サマースクール」)

理工学部 O.N.
3 週間の研修の成果として、ドイツ語に対する意欲と英語に対する危機感を大いに得た。しかし、「外国人と話す」という行為そのものに持っていた抵抗感のようなものは取り払うことができたと思う。
「何かしてくれるのを待つ」のではなく、全て自分から動いて積極的にならないと、このプログラムでは何も得られません。常に自分を律する必要がありますが、やる気のある人にはうってつけのプログラムだと思います。個人的には、是非また行きたいです。

理工学部 R.T.
アーヘンという世界遺産を有する街を歩くだけでも楽しいのに、そのうえ面白いアーヘン工科大、慶應の学生とドイツ語、日本語、英語でコミュニケーションをとる機会を与えられ、全部ドイツ語なのにわかりやすいドイツ語の授業、偉い教授がなんとか僕らが理解できるように話そうとしてくれるエンジニアリングの授業、週末や夕方には近郊のオランダやドイツの街や遊園地、サッカーをしたり、見たり。夕方からプログラムのない日にもドイツ人と誕生会が開かれたり、温泉行ったり、BBQしたり・・・楽しいことばかりでした。

理工学部 T.C.
少しだけドイツ語が話せるようになった。勉強のモチベーションがあがった。Buddy とどんどん積極的に絡んでいくと面白いと思う。下手なドイツ語でも良いから話そうとする姿勢が大事。丁寧に教えてもらえる。お金さえあれば絶対に行くべき。現地の学生と交流できる良い機会です。
■デジタルメディアをテーマとする日米共同バイリンガル・サマーキャンプ

中等部 水野由実子
中等部に入学してすぐに、サマープログラムのことを知り、まだ英語にも自信がなかったので迷いましたが、参加することに決めました。外国でいろいろな経験をする機会をできるだけたくさん持ちたいと思っていたからです。初めは、時差ぼけと、説明の英語が全然分からなかったので、2 週間もたないのではないかと、かなり不安になりました。それでもだんだん同室の子とも話ができるようになり、ブロードウェイミュージカルを観にいったり、寮でアイスクリームパーティーをしたりして、楽しめるようになりました。このプログラムのメインは短編映画の制作でした。台本からカメラワークまで自分達でできるようになりました。ひとつの目的に皆で取り組むことで、コミュニケーションをとるきっかけができました。また、慶應だけでなく、他の学校や現地の生徒も参加していたので、たくさんの意見をきくことができました。このプログラムで、話すことに自信が持てたので、2009 年には、この一年で身につけた英語力を活かしてより積極的に参加したいと思います。

普通部 櫻井 修
「2008 日米バイリンガルサマーキャンプ」に参加できたことは、自分の人生に多分プラスになっているはずです。中学2 年の夏、このプログラムを知りました。ちょうど、夏の部活の練習に影響の少ない時期で、合宿直前に帰国できることが、なにより参加したい気持ちになったひとつのきっかけでした。中等部や湘南藤沢中高等部やニューヨーク学院など、機会があれば訪れたい学校でした。もう一つのきっかけは、このプログラムのメインが映像を作成することにありました。「音や映像のデジタルメディアを日米の生徒が共同して作っていく」という学院長の言葉に惹かれました。その頃、コマーシャルでセンスが良く興味を引く効果のあるものが、NIKE 、Mac、iPod などのアメリカ系のCMであったことです。特に音楽と映像に引かれるものがありました。そんな、人が興味をもってくれる映像を、「トップクリエーターによるレクチャー」を受けながら「ハンズオン形式の映像メディアワークショップ」で映像制作のプロたちによる実践的な指導を受けるチャンスのあるこのサマーキャンプで作ることができたらと思い参加を希望しました。毎日が楽しく、国連を訪れたり、最後のヤンキースタジアムで観戦したり、通信を使って塾長と対話ができたりと盛り沢山な企画の中で仕上げた作品は、当初の目的とはかなりかけ離れた物となりましたが、外国人2 名を含む5 人で仕上げた作品は今でもサマーキャンプの一番の思い出として残っています。今もその仲間。ニューヨーク校に行かなければ出会えなかった中等部の友人、これから受験をし、きっといつかは大学で一緒に学べる友人、多国籍、異文化の友人ができて今も交際が続いています。僕は普通部から一人の参加でした。世界各国から集まってきた同世代の仲間とともに過ごしたニューヨーク学院での2 週間は井の中の蛙だった僕の人生のすばらしい1 ページとなっています。

中等部 青島一繁
今回のサマーキャンプで一番驚いたことは最初ほとんどわからなかった英語がキャンプの終わる頃には聞き取れるようになっていたことです。話せる程にはなれませんでしたが、英語に対する苦手な気持ちは薄れた気がします。そして、サマーキャンプがきっかけで、英語をもうちょっとがんばろうという気になれました。また、キャンプで知り合った日本人メンバーとも仲良くすることができ、今では「えだマメ会」として時々会ったりしています。僕はその会の会長として企画の立案などをしているため、このキャンプで英語力だけでなく「人を先導していく力」を得ることができました。今回のサマーキャンプはとても身になるいいものでした。
■学部横断環境プロジェクト-瀋陽・成都における環境活動

法学部法律学科 德光まり
まず東北大学の学生に、とても刺激を受けました。勉強・運動・遊び・恋愛、全てに全力投球をするその姿勢に、若者ならではの気概を感じ、鼓舞されました。また、全ての関係者の方々の、環境問題に対する真剣な取り組み方や活気をみて、「交流こそが活動の基礎」と桜本先生が仰った意味がわかりました。一言でいえば、「人との出会い」が、今回の研修で得られた最大のことだと思います。私は丁度将来の進路に悩んでいましたが、大学院に進んで新聞記者になり、将来特にこのような環境問題への取り組みなど、社会政策を伝えたり疑問を投掛けたりする人間になりたいという気持を強くしました。

法学部政治学科 川本裕美
特に、中国の学生さんとルームシェアをすることで、短い期間に深い深い絆を築くことができました。そして、日本は中国とこれから、ともに仲良く歩んでいくべきだと感じました。私は、以前は、中国というよりも、欧米を意識することが強かったのですが、実際に中国の人から、生きる姿勢をたくさん学ばされました。日本は、今まで欧米に追いつき追い越せという勢いで成長をしてきたと思います。しかし、今回の研修を通して、日本人が忘れかけていたものを中国はしっかりと認識をして成長をしていると思いました。だからこそ、日本は中国から学ぶべきこと、思い出すべきことがたくさんあるということを今の日本人に伝えていきたいです。そして、中国は、日本から得られる技術やグローバルスタンダードを学ぶというwinwin の関係を築いていければと思いました。

文学部人文社会学科 萩原里江
私は来年春から監査法人に就職します。法人から内定を頂いた際に、環境監査の分野へも力を入れるつもりだという話を聞いていたこともあり、今回の体験で環境監査により興味を持ち、ぜひ将来環境監査に携わりたいと思いました。
■塾医学部学生の海外ワークショップ派遣プログラム

医学部 釜本大
今回のハワイ大学医学部ワークショップを通じて多くのことを学んだ。Medical Interview が主体であり、その重要性、一部ではあるが患者さんとどのように接していけばよいか、さらにケースによってはその進め方といったことである。さらにそれだけでなく英語を多く話すことができた。実際に英語を話すということの重要性は高校のときの4 年間をアメリカで過ごした自分としては非常によく分かる。
今後、医師になっても学会での英語発表の機会も多くなるであろうし、病院に入れば海外から留学しに来る人もいるだろう。その際には英語が話せるということが最も重要なことであり、それを学ぶためにはやはり本を読んで英語を勉強するだけでなく、話さないといけない。今回はその点でも非常に有意義なものであったと思う。
現在病院で臨床実習を通じて多くの患者さんの診察の現場に加えさせていただいき、医療の現場で勉強させてもらっている。この夏にアメリカで実習することになっているが、その際は模擬患者を相手ではなく、本当のアメリカ人(少なくとも日本人ではない)の患者さんであり、異文化での医療というものに触れてくる。今回ワークショップで学んできたことを生かして、しっかりと夏に実習ができたらと思う。その後は自分自身も医師となり、責任をもって患者さんを診察していかなければならない立場となるが、その際にも今回のワークショップで学んだことの多くが生かされると信じている。

医学部 外山弘文
今回のワークショップを知ったきっかけは医学部英語会(以下MESS)であった。MESS の顧問の医学教育統轄センター長の天野隆弘教授および同センターの佐藤徹准教授のご厚意により、最近は毎年MESS の先輩方が同ワークショップに参加していた。帰国後の先輩方の報告を聞く度に将来機会があれば自分も実際に体験してみたいと思っていたので、今回参加する機会を与えられて光栄であった。私達はハワイ大学のスタッフにとても温かく迎えてくださり、ホテルやスクールバスまで用意していただいたので、10 日間のハワイでの生活は大変快適であった。また、授業の合間にはスナックを用意していただいたり、観光やハワイ大学の先生方や医学部生との会食まで手配していただいたりしたので、とても充実した時間を過ごすことができた。さらに、以前慶應に交換留学に来ていたハワイ大学の医学部生とも再会し、楽しい時を共にすることができたのは非常に良い経験であった。
肝心の実習内容について言及すると、Kasuya 先生を始めとする先生方の授業は大変わかりやすく実践的であった。主に午前中にKasuya 先生による医療面接の具体的な進め方の講義および練習があり、午後に模擬患者による実践的な模擬試験および先生方によるフィードバックを行うという形をとっていたので、知識が定着しやすかった。もっとも、個人的には英語を通しての医療面接は今回が初めての経験であったので、最初は英語自体の障壁に加えて医療面接をどのように英語で進めていけば良いかわからず、円滑な問診ができなかった。しかし、「練習をせずに最初から医療面接を行うことができる人は誰もいない」というスタッフの言葉に一同励まされながら模擬面接を重ねていくうちに、Kasuya 先生等の講義との相乗効果により徐々に英語での問診の型のようなものを自然と体得することができた。
また、Sakai 先生によるSmoking Cessation Counseling やDelivering Bad News などの講義で個々の条件の患者への対処も学習することができ、英語での医療面接の方法に幅を広げられた。さらに、PBL(Problem Based Learning)形式の講義をKasuya 先生に教わり、症例に対する医学的な問題の列挙の仕方や、個々の点に対してどのように問診を進めて患者から有用な情報を導いて有効な検査や治療へ繋げるかを学んだ。ハワイ大学のPBLは非常に有名であり、MESSでも何度か練習していたので、本場のPBL を体験することができたのは大きな収穫であった。実習が終わった今は、どのような患者でも重要なことを忘れないように英語で問診していく術がある程度備わったと言えるだろう。
今回のワークショップを通して、ハワイ大学の教育方法に関して非常に興味深いことに気づいた。それは講義だけにとどまらず、実践的な練習をひたすら繰り返すことである。模擬患者による医療面接だけでなく、Kasuya 先生やSakai 先生の講義中にも基本的な応対まで生徒同士で練習をする機会が度々設けられ、初めのうちは日本との教育の方法の違いに正直少し戸惑いを感じていた。しかし、このように基本から何回も体に叩き込み、模擬面接での実践を並行して繰り返していくことで、ある意味において条件反射的に問診を取り、一通りのことを網羅して問診できるように自然と慣れていったのは驚きであった。それぞれの教育方法の効果には個人差もあるので一概には言えないが、後から振り返ってみるとハワイ大学式の授業はこの短期間の成長に非常に有効であったと感じた。
最後に、今回このような大変素晴らしい機会を与えていただいたハワイ大学の先生やスタッフの方々、そして天野先生や佐藤先生にこの場をお借りして重ねてお礼を申し上げます。今後ともこのワークショップがハワイ大学と慶應の懸け橋となり続けることを期待しております。

医学部 南和志
今回ハワイ大学で行われたフォーラムに参加したのは、MESS の先輩方が同様のフォーラムに参加されて、MESS の活動でその報告をしてくださったことがきっかけである。ハワイ式PBL の他に実技やハワイの観光など様々なことを行っており、とても楽しそうであった。先輩であり、前年度ハワイ大学でのフォーラムに参加された西野さんには「とてもいい機会だから」と翌年のフォーラムへの参加を勧められていた。そして、5 月にハワイ大学主催のフォーラムが本年度も開かれることがわかりすぐに応募した。
ハワイ大学では8 月18 日~27 日までMedical Interview のフォーラムが行われた。僕はハワイ式PBL を学ぶフォーラムだと思っていたため、最初は困惑した。初日から模擬患者に対して英語で問診をすることになり緊張した。日本語での問診でも4 年生の最後に習ってあまり経験がないのに、英語で問診なんて出来るわけがないと思った。結局、直前に問診の仕方やフレーズを学び問診に臨んだが、結果は散々であり、相手から発せられる単語が何かわからないというレベルであった。しかし、その後ハワイ大学の先生方や学生の方々に何回も実習をしていただき、至らない問診でありながら誉めつつフィードバックをしてもらえたので、最後の方ではそれなりに問診ができるようになった。今回の経験はこれから先国際社会になっていく中でかなり貴重なものになったと思う。
フォーラムだけではなく、Activity も充実したものになった。週末はフリーだったのでハワイ島とカウアイ島にいき、マウナケアやキラウエア、ワイメアキャニオンなどハワイの雄大な自然を感じることが出来た。他にもフォーラムの中でノースショアに連れてってもらったり、ハナウマ湾に行ったりしてハワイの綺麗な海を堪能した。放課後の空いている時間でもパールハーバーやダイヤモンドヘッド、アラモアナセンターなどに行き、夜は同じフォーラムに参加しているメンバーたちと何度も飲み会をした。最終日の夜にはタンタラスの丘に連れて行ってもらい、ホノルルの綺麗な夜景が印象に残った。
最後に、お忙しい中このような充実したワークショップをしてくださったハワイ大学医学部の先生方とスタッフの方々、週末にはハワイ島やカウアイ島で運転までしてくれたハワイ大学の友達たち、ハワイ大学と慶應大学との間で調整をしてくださった天野隆弘先生、佐藤徹先生に感謝の意を表したい。ありがとうございました。

医学部 三島江平
今回のハワイ研修で最も良かったことは、他の国の医学部生との交流が出来たことではないかと思う。今回の研修には日本から慶應と高知、台湾のKaohsiung Medical School からはMing、Eric、Rubyの三人が参加していたが、特にEric は3年生ながら、ハリソンは読むわ、病態生理の本を購入し出すわ、疾患の症候をよく理解しているわと、台湾の学生達の学習に対する向上心は素晴らしいものがあると思った。また、今回のハワイ滞在期間中、以前慶應の病院実習にも来ていたKaren やTiffany と接する機会が多かったが、彼女たちもまだ2年生ながら、病態生理の知識やDifferential Diagnosis を挙げる時の思考の速さは特筆すべきものがあるなと思った。彼らから刺激を受けたことで、個人的にはかなり向学心というものが芽生えた。
また週末のアウトレットモールへのショッピングや海水浴はハワイ独特の楽しみ方だなと思った。これはハワイに一緒に来ていた皆にしつこいというくらい自慢していたことだが、シュノーケリングをしている際に生まれて初めて亀が実際の海を泳いでいるのを見ることができた。感動とともに、こういった環境でオフを満喫できるハワイ大学の学生をやや羨ましいとも思った(笑)。
今回の研修ではDr. Kasuya を始め、授業を提供してくださったDr. Damon Sakai、Dr. Seiji Yamada、Dr. Skip、Dr. Gwen Nagura、Dr. Gautam Deshpande の先生方、また実際にハワイ大学でのワークショップ制作にご尽力くださった、Remi Takenmoshita、Margit Sande-Kerback、Raymond S. Tabata三人のスタッフには大変お世話になった。この場で感謝の意を表したい。

医学部 秋田敬太郎
自分がこのワークショップの存在を知ったのは、応募締め切り間近の5 月半ばのことだったと思う。
ある日突然、釜本から学年メーリスが流れてきた。
『8 月の終わりにハワイ大学医学部でワークショップがあり、慶應の5 年生が招待されました。学校から補助金が出ます。8 月末の試験は後日追試を受けられるので大丈夫です。あと1 人だけ枠があります。期限が迫っているので、興味のある人は今日中に連絡ください。』
8 月になったら部活の幹部が終わるし、どこか海外に長いこと行きたい。行くなら英語圏がいい。でも8 月末に試験があるから長くは行けないかもなぁ。お金はどれくらいかかるだろう…。そんなことを漠然と考えていた自分にとっては、これ以上ない条件提示だった。その日のうちに釜本にメールをし、晴れてメンバー入りを果たしたのだった。
上に書いたように、正直最初は旅行気分で参加を決意したのだが、今となれば今回参加できた意義は「ハワイに行けたこと」ではなく「ワークショップに参加できたこと」だと胸を張って言える。ワークショップに参加した初日、教授の授業展開の早さや周りの英語レベルの高さにおののき、自分は8 日間やっていけないのではないかと不安にかられた。しかしスタッフや教授から1 人1 人に丁寧なフィードバックがあり、「君はこの部分では非常に長けているが、ここをこうすればよりレベルの高いinterview になる」というとてもpositive なアドバイスを毎日いただいた。単純な自分はその度に少しずつ自信を深め、ワークショップが終わる頃には自分でも「うまくなったな」と思える瞬間が何度もあった。
8 日間のワークショップの中で、およそ10 人の先生方・スタッフの方々にお世話になったが、どの方々にも言えることは、みな学生を乗せるのがうまく、いい意味で褒め上手だということだ。最初は不安な状態でinterview やrole play を始めても、乗せられて褒められるうちにできている気になり、自信もついていく。もちろん真の実力が8 日間でついたとは思わないが、これからもレベルアップし続けたいというモチベーションを得るには十分すぎる8 日間だった。
もちろん、ハワイでのActivity も満喫した。土日を使って1 泊2 日のハワイ島・カウアイ島観光をし、キラウエア火山やハワイ最高峰のマウナケア山、ワイメア・キャニオンなど、自然が織り成す絶景を堪能した。ダイヤモンドヘッドも登ったし、平日の放課後を使ってカメハメハ大王像やアロハタワー、アラモアナショッピングセンターなどを練り歩いた。夜はホテルの部屋やバーで仲間と飲み会。今思い返せばどれもが最高の思い出だ。そしてともに12 日間を過ごした仲間とは、強い絆で結ばれたと思う。
ハワイでのワークショップが今後も開かれるならば、後輩には迷わず参加することをお薦めしたい。自分の英語力を試したい人はもちろんだが、海外での医療・医学教育に興味はあるが英語にはとても自信がないという人や、どうせハワイに行くなら観光だけじゃなくもっと楽しいこともしてきたい、という人に強くお薦めしたい。必ず、一生モノの何かを得て帰って来れるはずである。
最後になったが、素晴らしいワークショップを開催してくださったハワイ大学医学部の先生方とスタッフの方々、夏休み中にもかかわらずワークショップの手伝いやParty・Activity に参加してくれたハワイ大学の学生達、ともに学んだ8 人の仲間、そしてこのワークショップ参加を斡旋してくださった天野隆弘教授・佐藤徹准教授に特別な感謝を述べたいと思う。本当にありがとうございました。
■経済学部学生専門教育短期留学支援制度

経済学部 小松直登
やはり経済的な支えがあると、学業に集中できるのではないかなと思いました。例えば、1日3食をしっかり食堂で食べるといったことや、湯沸し器を個人的に買って、眠いときにコーヒーをつくるのに役立てるなど、お金に余裕がないとできないことだと思います。また、大学生活以外でも非常に恩恵を受けていると実感しています。多くの留学生は何らかの奨学金をもらって留学にきているため、経済的にも割りと余裕があるようにみえます。例えば週末はパリへ行ったり、まとまった休みのときは、遠くへ旅行にいきます。そういう意味で、今回の奨学金は、彼らと行動を共にしようと思わせてくれる効果を与えてくれています。日本の未来を担う者の一人となりたいと思って、このプログラム参加を決めましたが、最初の1ヶ月では、語学力も含めた自分の能力を国際的な基準と照らし合わせて客観的に知ることができました。それは必ずしも高くはなかったのですが、これに対しては、悲観的にならず、伸びる余地があると思って、積極的に頑張っていきたいです。

経済学部 小平大輝
未来先導基金プログラムを通じた私の留学は充実の一言に尽きます。それは国際的コミュニケーション能力の向上、学問的成果、自身の精神的成長、また人種・国籍を越えた多くの友人全てにおいての充実です。当初の目的はグローバル化を正確に理解した上で、世界標準のビジネス手法を学ぶということでした。しかしながら、いざグローバル化の授業を取ると、それは普遍的なものではなく、歴史的文脈の中での現象であることがわかりました。一つの授業では正確に把握できるものではないと思い、ビジネス・地理学・文化人類学の側面からグローバル化について考えました。私なりに行き着いた答えは人的資源としての個人の重要性であり、人的資本をどう蓄積していくのかということを常に考えておかなければいけないと考えるようになりました。このように、とことん考え抜いて本質を追求する姿勢を常に崩さず、この世界にある課題解決に貢献していきたいと考えています。
■2008年度 慶應義塾派遣交換留学制度促進奨学金

経済学部 豊田純平
【目的】世界中の学生と関わりながら留学をしたい、マーケティングをビジネスの本場で学んでみたい
【成果】派遣先のワシントン大学では学業面においても部活動においても充実した日々を送ることができた。コミュニケーションスキルを上げるためディスカッションやプレゼンテーションが主体の少人数制の授業を多く取るように心がけ、最終学期には4 年生レベルのマーケティングの授業を履修。クラスの内容を高めることに貢献でき、最終プレゼンテーションでは2 位に選ばれた。また、ラグビーチームの立て直しにも貢献することができ、文武両道を実現することができた。帰国後TOEIC では990 点(満点)、英検も1 級を取得することができた。1 年間でここまで変われるのだということを自分自身の成長の幅で実感することができ、大きな満足を得た。
【今後】将来的にはさらに広い価値観を持った人間に成長していきたい。世界中のどこに行っても現地のニーズを把握できる一流のマケッターになるという夢がある。交換留学をするまでは遠く及ばないと思っていた夢だったが、実際に世界各地からの学生と交流し、私とはまったく異なる価値観に触れることで、私はその夢に大きく一歩踏み出すことができた。必ずこの留学経験を活かして一歩一歩着実に目標に向かって進んでいきたい。

環境情報学部 加根魯絢子
【目的】海外の大学で語学力を身につけつつ、最先端の技術について学ぶ
【成果】カーネギーメロン大学で履修した授業での実習から得た知識をSFC の研究会でも活かすことができている。アラブ学生団体に所属し、ネイティブスピーカーとも交流することでアラビア語の力を高め、またアメリカから見た中東世界を垣間みることができた。塾派遣交換留学生としての1年間、大変なことがなかったといえばもちろん嘘になる。しかし、この経験を通して培った知識、人間関係、そしてメンタリティーは一生の財産だ。毎日が新しい発見であり、「成長できた」と自信を持って言える。長いようで本当に短い、しかし多くの可能性を与えてくれた充実の1年だった。
【今後】アラビア語の学習も本格的に再開し、春にはイエメン等で1 ヶ月間勉強、夏季休暇中はリビア・シリア・レバノンの3 カ国へ赴く予定だ。留学で培った経験を元に、海外の大学院も視野に入れた進学を考えている。超領域的な研究を目指したい。

法学部政治学科 永野将虎
【目的】ベネチア大学
【成果】「超充実」。ベネチア大学での一年間はこの言葉に尽きる。それは、五感のフル活用を心がけてきたからだ。現場や現物などのリアルに触れて、そこで得た実感を信じて自分の考えを実行に移す。今回のベネチア留学はそのような探究心、「Chase the Real. Feel the Real」の精神を磨く絶好の機会だった。
【今後】日本語を学ぶ友人の心を動かすこともひとつの国際貢献なのではないかと思うので、日本に少しでも興味を持ってくれることを目指し、日々「些細な国際貢献」に草の根レベルで努めていきたい。
■SFC海外フィールドワーク助成制度Ⅱ

環境情報学部 土肥麻緒
私たちは二年の秋学期から中国における格差社会に興味を抱き、財政制度に焦点を当て研究を行っている。しかし、中国においては公表資料が少ないこと、法制度と実態が必ずしも一致しないこと、制度改革が進行中であること等から、日本では中国の最新情報を得ることは難しいと考えた。そこで、このフィールドワーク制度を用いて実際に中国の最先端の研究を行っている研究者の方々にヒアリング調査を実施する必要性を感じ、このプログラムに参加した。
このフィールドワークに参加することで、六人の中国財政制度専門の研究者のお話を伺うことができ、財政制度における問題を再認識することができた。加えて、新たな視点から問題を捉えるきっかけとなった。また、実際に農村に足を運び、同じ市内の格差を視察し農村住民の話を直接伺うことができた。このような経験から研究を継続し、今後の中国の財政制度改革の方向性について考察する

看護医療学部 鈴木詩織
フィンランドは日本より少し小さい国土で、人口500 万人、国土の北半分は北極圏という厳しい気候と大自然の国である。気候と自然と人口等の条件により、情報技術の開発を活発に実施し、情報技術の最先端国となっている。
「高齢者のより良い暮らしのために必要な環境の追求~フィンランドにおける高齢者福祉の現場を通して」と題して、情報技術を用いた遠隔医療と北欧高齢者福祉の研究のため、本プログラムにて、約1ヶ月のフィールドワークを実施した。フィールドワークにて多くの経験と学びを得え、高齢者と交流し現地の高齢者は陽気で元気であると感じた。高齢者は病気や加齢で生活に支障がでてくるが、80代を過ぎでも独居生活を当然とし、自分の意見を持ち続けていた。机上で学ぶだけでなくフィールドワークを行うことにより、多くの人々に出会い、助けられて研究できていることを再認識し今後も研究を深めようと再確認できた。

環境情報学部 山田貴子
今回、このプログラムに参加した目的は2 つあった。
1つ目は、フィリピンのストリートチルドレンを研究対象とし、スポーツが国際協力の現場でどのような可能性を持っているのかを研究することであった。2 つ目としては、体育活動の盛んな聾学校においてスポーツが子どもに与える影響力を測定すると共に斬新な体育のあり方を学び、日本の聾学校との比較、提案を行う事であった。得られた成果としては、すでに2 年間フィリピンにて活動をしてきたため、今回のフィールドワークを通してより現地の人々との絆が強くなったこと、そして今後進む大学院生活での目標がより詳細になったことである。フィールドワークは、1 回限りで何かを見つけたり、問題を解決することは難しいため、このようなプログラムを通して何度も現地へ足を運び、自分の研究、自分の足場、現地の人々との信頼関係の構築をできたことは今後の研究への大きな一歩となったと感じている。
■高等部生を対象とした異文化交流プログラムの新規開発

湘南藤沢高等部 神永祐希
『Perse-Keio Exchange Programme』
『イギリスへの留学プログラムがあるから、興味のある人は目を通しておくように…』。そうHR で聞いた時から、これには絶対に参加したいと思っていました。私は10 歳までイギリスで暮らしていたので、私の幼い頃の記憶といえばイギリスでの思い出しかありません。自分の故郷のように感じている国にまた行けるのは、どんな形であっても私にはこの上ない喜びでした。更に今回のプログラムは積極的に授業に参加することが求められる上に、他のプログラムと違ってあまり観光はしないと言われました。これを聞いて、もちろん多少の不安は感じました。何しろ授業は全て英語で行われる上に、留学先のPerse School for Girls はイギリスでも上位に入る優秀な学校だからです。しかも今回が第一回目の交換留学だったのでプレッシャーもあり、何が起こるのか予想も付かない状態でした。しかし、私は不安よりも先に嬉しさが込み上げてきました。帰国してからずっとSenior School に行けなかったことを残念に思っていたので、現地の学校に通えるのは本当に夢が叶うようでした。このように、とにかくイギリスに行きたい!という単純な思いから留学に応募した私ですが、いざ行ってみると、慶應では絶対に感じることや学ぶことのなかった多くのことを体験することが出来ました。
今回のプログラムを通して私が一番強く感じたことは、授業のスタイルがあまりにも違っているということです。Perse では16 歳の時点で自分が受ける科目を選択していて、多くても一人5 教科しか勉強していませんでした。私は近頃学習する意義が見出せない科目に苦戦していたので、自分が習いたい科目だけを習っていた同い年の子たちを少し羨ましく思いました。更に全ての授業が少人数制で、多くても1 クラスに8 人くらいしかいません。つまり、先生との距離もわずか30cm で、いつでも質問することが出来、分からないところは理解するまでとことん付き合ってくれます。歴史などの授業では、生徒と先生が互いに意見を言い合っている場面も多く見られました。これは、一クラス40 人弱の教室では決して見受けられない光景だったので、とても新鮮で興味深かったと共に、自分の学校での授業もこうであったら良いのにと、強く思いました。
このように感じていたのは私だけではなく、一緒に行った先輩と先生も、同じように少人数制のクラスには魅力を感じていたようです。また、留学生の人数も私を含めてたったの2人だったので、先生を交えて学校や授業について沢山意見を交わすことが出来ました。将来に自分が何をやりたいのか、今何をするべきなのか、どうしたらより良い授業環境を作ることが出来るのか、などと沢山のこと話し合い、考えさせられました。留学を終えてみると、心に沢山の疑問が残っていて、これからちゃんと考えなければいけないなと、改めて実感することが出来ました。
もちろんこの他にも留学を通して得たものは沢山ありました。一番大きかったのは、とりあえず英語を使いまくったということです。2週間、ほとんど日本語を話さなかった自分には正直驚きました。先輩や先生と話すときでも、自然と英語が出てきた時はとても不思議な気分になりましたが、まだまだ英語も頑張れるなと自信になりました。また、ホストして下さった方や学校の人達や先生など、多くの知り合いが出来たこともとても嬉しかったです。そして何より、イギリスにいること自体が本当に楽しかったです。学校への道のりにある野原とそこでのんびりと草を食べている馬や羊が見られたり、イギリスにしては珍しく大雪になって積もったり、最後に少しだけロンドン見学をしてBig BenやLondon Eye が見られたりと、イギリスを堪能することが出来ました。
留学は、単に勉強するだけや友達を作れるだけではなく、沢山のことを学び、感じることができる、とても貴重な体験だと思います。Perse-Keio Exchange Programme に参加できたことを、本当に嬉しく思います。また是非他のプログラムにも参加したいです。

湘南藤沢高等部 細田咲彩
『My Treasure』
私は英語を学びたいと思ってこのシンガポール留学に参加しましたがこの留学では英語だけではなくたくさんのことを学ぶことができました。
まず世界には様々な人がいてそれぞれ文化や考え方が違って生活が違うということです。シンガポールには主に華人系とマレー系とインド系と欧米系の人々が住んでいます。その4つの文化は違いがたくさんあります。宗教や話している言葉も違うし食べているもの、食べ方も違います。でもみんなが過ごしやすいように工夫されていました。ほとんどの表示などに英語をはじめとする4ヵ国語が書いてありました。フードコートにはたくさんの種類のご飯がありました。このようにお互いのことを理解しあって生きているのだと思います。自分たちの個性を尊重し活かしつつ協調して生きているのを感じました。私も自分らしく生きていきたいと思わされました。
またナショナルミュージアムに行ったときに日本とシンガポールの第二次世界大戦のときの歴史を学びました。歴史の授業で私はアメリカと日本の戦いで日本が大変な犠牲を被ったことは習いましたが、そのとき同時にシンガポールにも被害を与えていたことは知りませんでした。アメリカと戦うために関係のないシンガポールを巻き添えにしていたと知って衝撃的でした。展示物の中に部屋の広さを示すドアがありました。そこはとても狭いスペースでしたがそこに20~30 人の人がトイレもなしに閉じ込められていたそうです。私はそれを聞いてとても悲しくなりました。あまりにも冷酷で呆然としました。同じ人間同士でそんな残酷なことをしては絶対にいけないと思います。もう絶対にこのようなことが繰り返し起きてはならないと思います。そして私のようにこの事実を知らない人が多いと思いますが日本人は知る必要があることだと思います。
私たちがお世話になったHwa Chong Institution は敷地がとても広くてたくさんの施設がありました。生徒達はとても真面目で勉強も部活も真剣に取り組んでいました。 私たちが寝泊まりしたBoarding School では自習の時間が毎日あってその時間帯は食堂に集まってみんな勉強していました。国が違っても同じように勉強するのだなと改めて思いました。でもたぶん私たちの勉強量とは格が違うのだろうと感じたので私たちももっと勉強しないと世界に置いて行かれてしまうなと思いました。私のホストの子は日本語がとても上手でした。英語と中国語が話せる上に日本語まで話せてすごいなと感心しました。私も英語をもっと話せるようになりたいです。今回の留学ではなるべく英語をたくさん使えるように努めました。はじめの方は聞き取れなかったり伝わらなかったりで笑ってごまかしたりしていましたがだんだんお互いに通じるようになりました。英語で会話ができるとうれしかったし楽しかったです。これを機会に自分の英語力をあげていきたいと思います。
本当にたくさんの経験ができました。英語を使うことだけでなく、人との交流の仕方、礼儀、積極的に自己主張すること、自立することなど普段できない経験もたくさんありました。自分にとって本当に良い糧になったと思います。引率してくださった杉山先生、向こうの学校の先生方、ホストの子たち、送り出してくれた家族、一緒に頑張った留学仲間たちなどたくさんの人に助けられました。みんなに感謝しています。素晴らしい経験のつまった充実した9日間でした。この留学で得たことは私の一生の宝物です。これらの経験を活かしてさらに中身の濃い高校生活にしていきたいと思います。ありがとうございました。

湘南藤沢高等部 山本真倫
『韓国留学へ行って』
私たち4人と先生が教室へ入ると、歓声と拍手が迎えてくれました。さらに、窓から他のクラスの生徒も覗いていて、その歓迎ぶりにとても驚きました。こんなに歓迎してもらえるなんて!大元の日本語科の生徒たちは想像以上に日本語が上手で、まだ1年しか日本語を勉強してないとはとても思えませんでした。みんな積極的で、私はすぐみんなに囲まれて、沢山の話をしました。1番された質問は「嵐好きですか?」「東方神起好きですか?」などのサブカルチャー的なものです。きっとこれが日本語を勉強するきっかけになったのでしょうが、そんなささいなきっかけでも、こんなに一生懸命日本語を勉強してくれているのに感動しました。逆に、自分がハングルを喋れないことが申し訳なくなりました。積極的なのは日本語科の生徒だけではありません。ほかのクラスの生徒も、日本語で「こんにちは」
と挨拶してくれたのです。そして、日本語は喋れなくても、英語でコミュニケーションをとりました。英語のための留学ではないとは言え、実際には英語はとても便利な道具なのであると気づくことができました。
授業は、英語・日本語・体育・ダンス・美術・音楽に参加しましたが、特に興味深かったのは日本語の授業です。外人が日本語を習っている様子を見るのはとても新鮮でした。わからないところを聞かれて教えるのも、意外と的確に説明できず、難しかったです。日本人だとなんとなくで分かってしまうものも、外人からしたら難しいことなのでしょう。また、音楽の授業はハングルだったものの、何を言っているのかだいたいわかりました。「音楽に国境はない」ということを、身をもって理解することができました。このように、授業は朝から晩まででとても長かったですが、貴重な体験が出来たのでとても良かったです。それから、チャングという韓国の伝統的な楽器も教えていただきました。私は6月の長野旅行で小谷太鼓の体験もしたのですが、リズムや音が似ていたように思います。チャングは難しかったですが、たたいたときに心がすっきりとして、楽しかったです。また、チャングを教えてくれたのは大元の生徒だったのですが、日本語科ではなかったので、すべて英語で説明してくれたのです!英語を道具として完璧に使っているのを見て、感動しました。
ソウル市内観光は、日本語の先生の娘さんとそのお友達に案内してもらうのと、ガイドさんのツアーに行くのと、2つがありましたが、どちらも違う楽しみがあって楽しかったです。先生の娘さんのお友達は、日本の大学に留学しているということで、色々な話を聞けて面白かったのですが、ツアーはガイドさんに案内してもらうことで勉強になりました。
ホームステイ家庭では、両親は日本語が全く通じず、妹は聞き取れるが喋れない、という状況でした。挨拶は韓国語を使い、あとは英語を使ったり、ホストの子に通訳をしてもらいながらコミュニケーションをとりましたが、ご家族のみなさんにはとても親切にしていただきました。たとえば、妹さんには、ホストの子が塾へ行っている間に、話し相手になってもらいました。作っていただいたご飯は韓国の伝統的な料理が多く、韓国の食文化を知ることができました。私は辛いものが苦手なのですが、それほど辛くないものも多かったです。ただ、キムチはとても辛いです!とてもおいしくて、ゆっくりと味わって食べたかったのですが、朝は時間があまりなくて急ぎ気味になってしまったことが少し心残りです。本当に、それくらいおいしかったのです!
韓国で過ごした1週間は1日1日が濃く、有意義に過ごすことができました。最初は長く感じていたものの、だんだんと時間が短く感じられるようになっていきました。学校へ行く最後の日は、みんなと抱き合って別れを惜しみました。1週間しかいなかったとは思えないくらいみんなと仲良くなれたのは、みんなの明るい人柄のおかげであると思います。空港でホストファミリーと別れるときは、急に寂しくなって泣いてしまいました。
韓国と日本は国同士で色々な問題を抱えていて、それによって韓国が嫌いだという人もたくさんいると思います。けれど今回韓国へ留学してみて、ひとりひとりはとても親切で、逆に「日本に行ったらみんな親切だった」と言ってくれた人もたくさんいました。国同士の問題があるのは確かですが、ひとりひとりとは友好な関係を築いていきたいです。インターネットでは特に韓国を非難する意見が多いように思えますが、私は自分の経験をもとに、偏見を持たずに生きていきたいです。この韓国留学プログラムも、ぜひ続けて欲しいと思います。
■医学部におけるアジア地域医療ネットワーク拠点の形成
:国際レベルに対応できる若手先導者の育成と交流

医学部 川﨑健太
日韓医学生学術交流会は、韓国の延世大学医学部との交流を年2 回実施している医学部唯一の学生間双方向交流団体です。半年ごとに、学生有志が4~5 日間の日程で相互に訪問し、大学及び病院訪問、救命処置講習、ディスカッション、ボランティア活動やスポーツといったプログラムを実施しています。延世大学医学部は、韓国で最も優秀な医学部の一つであり、本プログラムを通じて、医療産業、生命、倫理について共に考え、将来のアジアにおける医療を担う国際的な視点を持った医療人になるべく切磋琢磨しています。2008 年度は、2 月に9 人の学生(2、3 年生)が訪韓し、7 月には3、4 年生8 人の学生を受け入れました。勉強の合間にプログラムを考え、資金の調達や報告書の作成を行うことは楽な作業ではありませんが、これらの作業から学ぶことも多く、積極的に取り組み、楽しく活発に活動できました。英語を共通言語とする本プログラムは、「使える」英語力の向上にも役立っています。

医学部 四倉正也
日中医学生交流協会は、中国への訪問を主な活動とする学生団体です。2008年度は、北京五輪関連と思われるテロの発生のため、大幅な変更を行ったものの、無事に実現することができました。北京大学医学部をはじめとする中国国内でも有数の医療機関はもちろん、多くの市民が通う市中病院や少数民族医学の現場も訪問します。医療形態は西洋医学が主流ではあるものの、中医学に代表される伝統医学や民族医療が色濃く受け継がれている面もあり、医療のルーツや、医学の多様性を感じることができます。このような中国の医療事情に直に触れ、現地の医師や医学生と交流し、意見を交わすことは、日本や世界における医療の未来を考える良い機会になりました。参加学生たちは、自ら目標を設定し、訪中に備えて中国医療についての知識を蓄え、中国語を学び、企業や教員から寄付を募るなど、主体的に活動しています。
■ヨーロッパ諸大学短期留学型研修プログラム

政策・メディア研究科 由布真美子
このプログラムに参加した目的は、大学院での研究に必要なデータを収集し、研究の糧となる知識や見聞を深めることでした。大学院での研究テーマを「母語話者・非母語話者間の会話にみられる修復~ドイツのイタリア系移民の会話分析~」としており、今回のフィールドワークでは、ドイツ人とイタリア人とのドイツ語による会話(6 組)を録音しました。ここで得られたデータは今後文字起こしを経て、母語話者・非母語話者間のよりよい会話形成の一助とすべく、その分析を進めていく予定です。また、インタビュー調査や文献調査で得られた知識は、この研究を進める上で必要不可欠な材料になってくると思います。

環境情報学部 近藤華子
私がこのプログラムに参加した目的はふたつあります。ひとつは、大学での研究を実地調査を通じて検証すること、もうひとつは大学から習い始めたフランス語をツールとして使うことへの挑戦です。フィールドワークでは「モード支援体制の検証」をテーマに、ファッション業界に支援を提供している方や支援を受けている若手デザイナーへのインタビューを通じて、様々な角度から政策の検証を行いました。現地では支援体制の検証だけでなく、いくつか新たな課題も発見することができました。また、フランス語でインタビューや文献調査を行えたことも自信に繋がりました。今秋からフランスへの交換留学が決まっているため、今回のフィールドワークを足がかりとして、一年間通じてこの研究をさらに掘り下げ継続していきたいと考えています。
■見る、会う、語る アジアの友だちプログラム part2
:未来のグローバル・リーダーを育てるアジア生徒交流プログラム

高等学校 河野維一郎
今回のプログラムには、前年の3 月にタイのナコン・シータマラートに行ったことに引き続き、参加させていただきました。残念ながら、タイに行くことは、できなかったものの、PCC(プリンセス・チュラボーンカレッジ)の日本交流訪問に関しては手伝うことができました。前年のタイの訪問では初めての海外交流であったためか、緊張してしまい、なかなか生徒とうまく話せませんでした。しかしながら、今回は日本であったこと、2 度目の交流であったことなどから、自分でも英語を積極的に使い、いろいろ話せるようになったと思います。PCC の教頭先生にも「君は去年と違い、よく話すようになったね」と褒めていただくことができました。また、同じアジアの人同士での文化の違いなどにも、触れることができ、とても有意義な交流となりました。

高等学校 安達琢磨
自分にとってこのプログラムへの参加は2 度目であった。今回は昨年と違いまずタイから現地の生徒たちが来ていた。彼らにとって日本はあこがれの土地で、来るのに選抜試験があったという。それを聞いてとても驚いた。また彼らは自分たちのように好きなときに海外に遊びに行くことができないのだと知り、とても自分たちが恵まれているのだなと思った。どんな細かい日本での出来事に対しても彼らの目は非常に輝き、とも楽しそうであった。そんな姿をみてもっといろいろなことに関心をもって目を輝かせて取り組みたいと強く思った。そして今後ももっとタイの人たちにとって日本が身近になり、さらに彼らと自分たちがもっと深くお互いをわかりあえたらよいなと思った。
■延世大学・香港大学・慶應義塾大学3大学合同東アジア研究プログラム
(Three-Campus Comparative East Asian Studies Program)奨学制度

法学部法律学科 岩崎悠仁香
香港滞を通して、東西が混ざるアジア都市としての文化と人々を存分に味わうことができました。特に香港はイギリスからの影響も大きく、香港大学も留学生の受け入れに積極的で、アメリカや西欧圏からも多くの友人を作ることが出来ました。このプログラムは名前からアジアだけに絞っているように聞こえますが、世界各国からの留学生に囲まれる生活で新たな自己を何度も発見することができました。日本人としての自己、アジア人としての自己、地球に住む一人の人間としての自己。外見は大きく違っても、日常的な悩みは同じだったり、受けた教育から根底から考え方が異なっていたり、香港でのこれまでの3か月の滞在だけでも東西文化を360度から見つめ直すことができました。いかにステレオタイプで物事を見てきたか、に気づかされる機会が多いです。
日本の大学と勉強の仕方が大きく異なるので、最初は戸惑いが多かったです。特にチュートリアルクラスという大人数授業を補うための少人数形式の補講は始めはプレッシャーも大きかったです。その中でプレゼンテーションの機会が多かったので、もっと日本にいる間に使いやすい表現などを練習しておけばよかったと後悔しました。

University of Hong Kong Wong Shun Hang Samson
Studying in Keio University was a great experience. It gave me chance to meet international students from all over the world who truly love Japan. Keio displayed to me a multiethnic Japan that I had never imagined before. Studying with local Japanese students allowed me to listen to the real Japanese's points of view on social issues. Thanks to Keio that I am now more familiar with the Japanese culture and have developed my love towards Japan. I am sure I will not forget the good times I spent in Keio.

Yonsei University Kim Hye Jin
I think 3-Campus program provides a great way for me to learn about different cultures and different perspectives on the dynamics of East Asian politics and economy. Through the opportunity it has provided to travel around one of the most developed international cities in East Asia and to study in prestigious universities in East Asia, this program has broadened my global perspective and mind as an international studies major studying in an international college. It has not only allowed me to brush up my Japanese language skills and to learn Chinese which i have always wanted to learn, but it also helped me create valuable human networks in East Asia through interactions with other members of the program. I believe participation in this program is definitely a 'must' for people like me who want to specialize in the East Asian region.