2025年度公募プログラム

[総合政策学部]

「政策決定を学ぶスクール」としての総合政策学

活動代表者

総合政策学部長 加茂具樹

加茂具樹「実践知」の涵養を教育理念としているSFCにおいて、総合政策学部には「政策決定を学ぶスクール」という特徴があります。政策決定にかかわる様々な課題についての要因の抽出や理解、その分析のためのスキル・テクニックの習得など、総合政策(問題発見と問題解決)の先導者として必要な多様な能力を「集合知」として広く共有するための「政策ケース」の開発に取り組みます。

活動内容

 「政策決定を学ぶスクール」である総合政策学部は、本プログラムをつうじて、①政策ケースの収集とデジタル・アーカイブを構築し、②政策ケースブックの作成を目指す。本プログラムは、本学部のディプロマポリシーに明記している「問題発見と問題解決プロフェッショナル」(複雑な社会現象のなかから課題を発見し、その解決に向けた政策を立案するだけでなく、実践をつうじて社会を先導する力をもつ人材)を育成する教育研究を補完するものである。本プログラムは、その成果を学部や大学院に在籍する学生だけでなく、湘南藤沢中・高等部に在籍する生徒も享受できるようにするための教育方法(出張授業の形態等)を研究する。

①政策ケースの収集とデジタル・アーカイブの構築:多様な政策領域の政策ケースを収集し、アーカイブを構築する。歴史過程追跡やオーラルヒストリーの手法を踏まえた事例のコンテンツを収集し、最終的には、政策過程に関する一般原則の抽出に耐えられるレベルのコンテンツを作成する。想定している政策領域は、中央官公庁や地方自治体が取り組む政策領域から各企業や団体が取り組んだ政策と幅広い。本プログラムは、すでに半導体政策(経済産業政策)、社会安全領域(国境離島警備隊の創設:警察政策)、1999年労働者派遣法改正(厚生労働政策)、第2次対中円借款復活(外交政策)に関する政策ケースを執筆した。今後、健康医療、子育て、介護、労働、防衛、環境保全と整備、公害防止、情報通信領域に広げる。政策ケースの収集は、政府や地方自治体の審議会等に参加経験のある教員のネットワーク、学部が実施してきた官公庁交流人事のスキームで中央官公庁から出向している教員(警察庁、厚生労働省、総務省、環境省)、特別招聘教員として迎えている有識者(官庁事務次官経験者、ジャーナリストや経営者やNPOといった社会活動に取り組んでいる人物)の協力を得て増やす。政策ケースの執筆と教育実践は講義科目「政策立案論(実践)」において実施する。

②政策決定のケースブックの作成:「問題発見と問題解決のプロフェッショナル」な人材を育成するための教材として政策ケースブックを作成する。このアウトリーチプロジェクトとして、政策ケースのブックプロジェクトを展開し、その成果を社会に発信する。

教材:政策ケースは、学生が政策ケースを使いながら討議を重ねることにより、公共政策における意思決定とアクションプランの策定、政策形成、政策決定、政策実施上の出来事にかかる成功体験の評価をつうじて、様々な課題の主要な要因の抽出や理解、それらの分析のためのスキル・テクニックの習得など、総合政策(問題発見と問題解決)のプロフェッショナルとして必要な多様な能力を実践的に鍛えるための教材である。

アウトリーチプロジェクト:次のブックプロジェクトの実施を模索する。1)事例を積み上げ、そこから政策過程に関する一般原則を抽出し、帰納論的な研究成果を学術書籍として刊行する。2)事例の記述と蓄積から、政策領域ごとの特徴を抽出した学術書籍を刊行する。

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