講義の趣旨

経済学の基礎となるのは個人の経済行動と、それらの行動の相互作用の理論である。伝統的なゲーム理論では、利己的で合理的な経済人という主体を仮定し、経済人の経済行動とその相互作用から、どのように経済資源が配分されるかを分析してきた。最近急速に発展している行動経済学では、経済人の仮定をおかない場合の経済行動とその相互作用を、心理学、社会学、文化人類学などの理論や手法を用いて理論的、実証的に研究している。本事業では行動経済学と、経済人の仮定をおいたゲーム理論の両方についての最先端の研究から、経済行動とその相互作用について、複眼的な視点からのより深い理解を目指す。

コーディネーター

大垣 昌夫（経済学部教授）、中村 慎助（経済学部教授）、グレーヴァ 香子（経済学部教授）、田中 知美（経済学部特別招聘准教授）

招聘者ならびに講義担当者

Ron Harstad

ミズーリ大学経済学科。ゲーム理論。１９８３〜１９８７年、ヒューストン大学助教授。１９８７〜１９９３年、バージニアコモンウェルス大学准教授。１９９３〜２００４年、ラトガース大学教授。２００４年〜、ミゾーリ大学教授。

奥野 正寛

流通経済大学経済学部。ゲーム理論。1989年～2010年、東京大学経済学研究科・経済学部教授。2009年～、流通経済大学経済学部教授。

Colin Camerer

カリフォルニア工科大学社会科学学部。行動経済学。１９８１〜１９８３年、ノースウェスタン大学助教授。１９８３〜１９８９年、ペンシルバニア大学助教授・准教授。１９９１〜１９９４年、シカゴ大学教授。１９９４年〜、カリフォルニア工科大学教授。

高橋 泰城

北海道大学文学部。行動科学。2002〜2003年、東京大学研究員。２００３〜２００６年、北海道大学研究員。２００６〜２００７年、東京大学研究員。２００８年〜、北海道大学准教授。

西條 辰義

大阪大学社会経済研究所。実験経済学。１９８５〜１９８６年、オハイオ州立大学講師。１９８６〜１９８８年、カリフォルニア大学助教授。１９８８〜１９９１年、筑波大学講師。１９９１〜１９９５年、筑波大学助教授。１９９５年、筑波大学教授。１９９５年〜、大阪大学教授。

田中 沙織

大阪大学社会経済研究所。神経経済学。2006年～2007年、カリフォルニア工科大学ポスト・ドクトラル・フェロー。2007年～、国際電気通信基礎技術研究所連携研究員。2009年～、大阪大学社会科学研究所特任准教授。

Daniel J. Benjamin

コーネル大学経済学科。行動経済学。２００７年〜、コーネル大学助教授。２００９年〜、NBERファカルティ・リサーチ・フェロー。

武岡 則男

横浜国立大学経済学部。一般均衡論、意思決定理論。２００６〜２００８年、立命館大学准教授。２００８年４月〜、横浜国立大学准教授。

金子 守

筑波大学社会システム情報工学研究科。ゲーム理論。1988～1995年、 バージニア工科大学 経済学部　教授 。1992年～、筑波大学大学院システム情報工学研究科教授。

Dan Ariely

デューク大学ビジネススクール。行動経済学。１９９８〜２００８年、マサチューセッツ工科大学助教授、准教授、教授。２００８年〜、デューク大学教授。

Raphaël Franck

バーイラン大学経済学科。ポリティカルエコノミー。２００３年〜、バーイラン大学講師。

Conchita D'Ambrosio

ボッコーニ大学経済学科。公共経済学。２００４年〜、ボッコーニ大学准教授。

Andrew Clark

パリ・スクール・オブ・エコノミクス。応用ミクロ経済学。１９８９〜１９９１年、ダートマスカレッジ訪問助教授。１９９１〜１９９３年、エセックス大学シニア・リサーチ・オフィサー。１９９５〜１９９７年、OECD。１９９７〜２００１年、オルレアン大学シニア・リサーチ・オフィサー。２００１年〜、パリ・スクール・オブ・エコノミクス教授。

Simon Gächter

ノッティンガム大学経済学科。実験経済学。１９９４～２０００年、チューリッヒ大学講師。２０００～２００５年、ザンクトガレン大学教授。２００５年～、ノッティンガム大学教授。

Fabrizio Zilibotti

チューリッヒ大学経済学科。マクロ経済学、ポリティカルエコノミー。１９９４～１９９７年、ポンペウ・ファブラ大学助教授。１９９７～１９９９年、ポンペウ・ファブラ大学准教授。１９９９～２００１年、ストックホルム大学准教授。２００１～２００６年、ストックホルム大学教授。２００６年～、チューリッヒ大学教授。