2024年度 春学期 未来先導チェアシップ講座

テーマ研究 法律英語入門(野村證券未来先導チェアシップ講座)

講義の趣旨

企業のグローバル化に伴い、法曹のグローバル化が喫緊の課題となっている。しかしながら、交渉の最前線に立つ日本人弁護士が英語を駆使して、海外の弁護士と互角に国際案件を自在に扱うまでには至っていない。一番の障壁は英語によるコミュニケーション力である。
本コースでは、日常英会話の習得ではなく、法曹実務家が英語の法律専門用語を駆使して交渉できる力、議論や説得をする力を向上させるための最も効率的・効果的な方法論を伝授する。そもそも、英語は生涯学習であり、コツコツと継続して勉強し続けることが肝要である。継続するためには、英語学習を楽しむことがコツである。本コースでは、楽しく英語の勉強を続けていくための行動変容を促すことを第1の目標とする。
さらに、最も合理的な学習の方法論も伝授する。方法論が間違っていれば道のりは遠く険しくなり、そもそも継続はできないからである。各方法論の実践は毎日最低2~3時間程度の学生の自習に委ねるが、毎日その作業を継続することが行動変容につながる。
本コースでは、①日本人の最大の弱点であるリスニングとスピーキングを延ばすには、発音矯正から始める。辞書に載っている発音記号通りに発音しても殆ど通じない。なぜなら、発音記号と実際の発音には相当な開きがあり、また、英語は腹式呼吸を前提しているが、日本語はそうでないからである。複式呼吸ができないので、うまく子音の発音ができない、その結果聞き取れないということになる。また、リエゾンによって発音が変化することを知らないとネイティブの発音にはならないし、聞き取れない。つまり、ネイティブの発音ができないということは、各人の言語中枢に聞き取った音と単語・文章が結びつかずリスニングが不得手となる。このように、発音とリスニングは密接に結びついている。この点をマスターすることが第2の目標である。
次に、②英語で法律問題を交渉するには、法律英語のボキャブラリーやイディオムを特別に増やしていく必要がある。そのために、Georgetown Law SchoolのOnline Legal English Programs のディレクターであるStephen Horowitz教授(https://www.law.georgetown.edu/faculty/stephen-horowitz/)をオンラインでお招きして、同教授が開発したPodcastを題材に、実際に法律英語を駆使した討論、スピーチ、法廷ドラマのシーンなどを題材に聞き取りかつボキャブラリービルディングを行ってもらう。また、法律文書等において、日本人法曹に特有のミスが見られるが、このようなミスに精通した外国人弁護士も講師として参加してもらう。正確かつ豊富なボキャブラリーがなければ結局、相手の話している単語も拾えないし、自分も発音できないので、究極的に英語のコミュニケーション能力はボキャブラリービルディングに負うところが大きい。このボキャブラリービルディングが第3の目標である。

コーディネーター

宮武雅子 (法務研究科)

招聘者ならびに講義担当者

氏名:
頓田大樹
所属:
Dr. Dオンライン発音矯正コース主宰
研究領域、略歴:
発音矯正

氏名:
Stephen Horowitz
所属:
Georgetown University Law School
研究領域、略歴:
法律英語の教授方法

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