2024年度公募プログラム
[総合政策学部]
「政策決定を学ぶスクール」としての総合政策学
活動代表者
総合政策学部長 加茂具樹
「実践知」の涵養を教育理念としているSFCにおいて、総合政策学部は自らを「政策決定を学ぶスクール」と再定義し、政策決定にかかわる様々な課題領域、政策決定の主体の知見を集積し、これを「集合知」として広く共有するためのプラットフォームの構築に取り組みます。
本プログラムの第2年目である2024年度は、その春学期に開講した学部講義科目「日本研究概論2」と、秋学期に開講した学部講義科目「政策立案論(実践)」において、本プログラムを実施した。政策ケースを収集し、蓄積したデジタル・アーカイブを構築するための活動に着手した。政策ケースを作成するために本プログラムは、経済産業省、外務省、警察庁、環境省、防衛省の官僚(あるいは官僚OB)を「政策立案論(実践)」のゲスト講師として招聘し、(ゲスト講師)自らが担当してきた政策領域にかかる政策決定について講演を依頼し、聴取した。具体的には、厚生労働関連政策として「1999年改正労働者派遣法」、「乳児用液体ミルクの国内製造・販売解禁」、「パワハラ対策とLGBT政策」。環境関連政策として「東日本大震災における廃棄物処理や除染等の対応の経緯」。外交・防衛・安全関係政策として「国境離島警備隊を設置する」、「第三次対中円借款は如何に再開されたのか」、「戦艦大和の出撃:誰が巨大戦艦を沈めたのか」。経済産業関連として「商工中金の完全民営化」。農林水産関連政策として「所有者不明『農地』」 と題する政策ケースの執筆に努めた。それぞれ60分の講演を実施し、講演録の文字起こしとともに、講演内容を踏まえた事実関係の整理と関連情報の収集をおこない、政策ケースを作成した。
2024年度は、2023年度に引き続き、①政策ケースの話し手の確保と、講演の実施、②実際の政策ケースの執筆にかかる作業の実施に注力し、また政策ケースの作成に必要なノウハウの蓄積に努めた。
また2024年度は、2023年度に引き続き、本プログラムと各官庁との連携体制の構築に務めた。総合政策学部と環境情報学部は、警察庁、総務省、環境省、厚生労働省、防衛省とのあいだで交流人事を実施している。各省庁の関係者との懇談を実施し、本プログラムとの連携の可能性について協議した。その成果を2024年度秋学期の「政策立案論(実践)」において展開した。
慶應義塾大学SFC研究所 政策ケース・ラボ
https://policycase-sfc-keio.jp/