2023年度公募プログラム

[福澤研究センター]

福澤諭吉と「人間交際」を深めるワークショップ―歴史を考え、体感する―

活動代表者

福澤研究センター所長 平野隆

平野隆>このプログラムは、高校生から大学院生までを対象に、大阪から九州に至る福澤諭吉の足跡を当センターの教員や所員とともに辿り、慶應義塾の歴史や福澤諭吉について学んでもらうものです。

活動内容

・全参加者を対象とした7月の事前説明会で、『福翁自伝』や『学問のすゝめ』を事前学習するよう説明した。
・8/21(月) 東京駅に集合し、新幹線で大阪へ移動。福澤諭吉誕生地記念碑や適塾・緒方洪庵旧宅等の福澤諭吉ゆかりの地を訪れ、1日の終わりには、「大阪での体験は福澤諭吉にどのような影響を与えたと考えられるか」をテーマに、班ごとにディスカッションを行い発表した。大阪市内に宿泊。
・8/22(火) 新幹線・特急ソニックにて中津へ移動し、福澤旧邸および福澤記念館等を見学。さらに事前に送付した「中津城下再生古地図」を持参の上、現在の街並みと比較しながら中津市内を散策した。この日は、「中津での体験は福澤諭吉にどのような影響を与えたと考えられるか」を班ごとにまとめて発表した。中津市内に宿泊。
・8/23(水) 中津市歴史博物館を見学した後、新中津市学校にて、襖の中から古文書を発掘する「襖の下貼り剥がし」を体験した。福岡空港より羽田空港へ、午後7時頃解散した。
参加者は、高校生10名(塾高5、志木高4、女子高1)、大学生8名(経済学部2、法学部1、理工学部1、法学部1、文学部1、環境情報学部1、看護医療学部1)、大学院生1名(法学研究科)であり、引率は8名で合計27名だった。(当初は20名参加の予定だったが、慶應高校の甲子園優勝と日程が重なり、直接応援に関わる高校生1名がキャンセルとなり19名が参加した。)なお、留学生が3名含まれている。

参加者の声

公募プログラム

法学部3年

およそ10年ぶりに以前とほぼ同じコースを巡り、土地勘を改めてきちんと記憶に残すことができたと思います。福翁自伝を読んでいるだけでは町の広さや距離感が分からないところを補完でき、また各高校から、同じ学部生どうしでも初めて顔を合わせるメンバーで和気藹々と巡ることができ、とても有意義でした。良い実地経験になったのはもちろんのこと、これをきっかけに、更に交友の輪を広げていきたいと思います。日程が駆け足なのが少し残念に思いました。せっかく多様な出自の参加者が集まる場なので、人数はこの程度のまま、一方でディスカッションやその他の雑談含め話す時間がもっとあると良いな、と感じています。またその意味で、大阪を廻る間も(今回は雨でしたが)徒歩、を提案します。また機会が分散するので良し悪しとは思いますが、大阪とその近辺、と、中津長崎、で2コースに分離するほうが余裕をもって参加できるように思います。日程と地理の都合上いっぺんには難しいかもしれませんが、長崎や、京都慶應義塾・徳島慶應義塾跡を大阪慶應義塾とセットで見てみたいと思いました。


志木高等学校3年

僕が初めて大阪に来たということもあったとは思いますが、やはりその街並みが印象に残りました。
東京ではあまり見られないような歴史的な建造物や、福澤先生の無鉄砲さが育っていった理由など、考えが溢れ出るような感覚にさせてくれました。華岡先生と緒方先生の競争意識など、その立地から考えられることが多く、とても楽しく興味深いところであると感じました。やはり中津城跡周辺では、過去の門閥制度がこれほどのものかと感じることが多くありました。道の広さの違いをはじめ、昔の屋敷の並びなどからどれほど当時の階級区分はすごかったのか、また結構閉鎖的な中津という場所であったからこそ、福澤先生はあのようなお方になられたのではないかというふうにも考えられました。
今回の旅を通じて、福澤先生がどのような環境で育ち、どのように独立自尊などのお考えを持たれたのか、自分なりには少しわかった気がしました。それだけではなく、先生方、大学の先輩方や後輩たちとも意見交流などが出来てとても楽しかったです。本当にありがとうございました。

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