2023年度公募プログラム

[総合政策学部]

「政策決定を学ぶスクール」としての総合政策学

活動代表者

総合政策学部長 加茂具樹

加茂具樹「実践知」の涵養を教育理念としているSFCにおいて、総合政策学部は自らを「政策決定を学ぶスクール」と再定義し、政策決定にかかわる様々な課題領域、政策決定の主体の知見を集積し、これを「集合知」として広く共有するためのプラットフォームの構築に取り組みます。

活動内容

「政策決定を学ぶスクール」である総合政策学部は、本プログラムをつうじて、政策決定の事例を収集し、蓄積した ①デジタル・アーカイブの構築と、②政策決定のケースブックの作成を目指す。本プログラムは、複雑な社会現象のなかから課題を発見し、その解決に向けた政策を立案するだけでなく、実践をつうじて社会を先導する力をもつ人材(「問題発見と問題解決プロフェッショナル」)を育成する教育と研究を補完する。また、本プログラムは、その成果を学部や大学院に在籍する学生だけでなく、湘南藤沢中・高等部に在籍する生徒も享受できるよう方法(出張授業の形態等)を研究する。
① 政策決定の事例を収集したデジタル・アーカイブの構築:政策領域ごとに政策決定の事例を収集し、蓄積したアーカイブを構築する。歴史の過程追跡やオーラルヒストリーの手法を踏まえた事例のコンテンツ(文字、映像、音声)を収集し、最終的には、政策過程に関する一般原則の抽出に耐えられるレベルのコンテンツを作成する。想定している対象領域は、中央官公庁や地方自治体が取り組む政策領域、各企業や団体が取り組んだ政策決定、と幅広く考えている。具体的には健康医療、子育て、介護、労働、社会安全と治安、外交防衛、環境保全と整備、公害防止、情報通信などである。事例の収集は、政府や地方自治体の審議会等に参加経験のある教員や、学部が実施してきた官公庁交流人事として中央官公庁から出向している教員(警察庁、厚生労働省、総務省、環境省)、特別招聘教員(ジャーナリストや経営者やNPOといった社会活動に取り組んでいる方々を対象)からの協力を得るなど、これまでに構築してきた教員ネットワークを活用する。
② 政策決定のケースブックの作成:「問題発見と問題解決のプロフェッショナル」な人材を育成するための教材として、政策決定のケースブックを作成し、またその副産物として学術研究の成果を書籍刊行する。
教材:「問題発見と問題解決のプロフェッショナル」な人材の育成のためには、政策決定の追体験と、分析や意思決定の訓練をするための教材が必要である。実際に行われた政策決定を討議し、「実践力」(洞察分析力、立案力、意思決定力、実践力、これらを総合する力)の向上に有効な教育方法としてケースメソッド教育に注目が集まっている。この教育を支える教材として、政策決定のケースブックを作成する。
学術研究の成果発信:2つのタイプの学術書籍の刊行を模索する。1)事例を積み上げ、そこから政策決定にかんする一般原則を抽出し、帰納論的な研究の成果として学術書籍、あるいは2)過程追跡やオーラルヒストリーの手法を踏まえた事例の記述と蓄積から、政策領域ごとの特徴を抽出した学術書籍を刊行する。いずれも政治学や行政学に貢献できる。

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