2024年度公募プログラム

[横浜初等部]

X-ship Camp:多世代共創を実現するサバイバルキャンプによる先導者育成プログラム

活動代表者

横浜初等部教諭 クリスチャンソン, マーク

小学生から大学院生の参加者たちが自然の中で共に生活し、語り合い、課題に挑戦しながら先導者としての自分について考えるサバイバル・キャンプです。火おこし、炊飯、片付けなどを主体的に、そして協働的に行いながら様々なx-shipの力を培っていくことを目指します。

活動内容

 本プログラムの中心となるイベントは夏休みなどの長期休み中に、自然環境の中でサバイバル・キャンプを実施することであり、それを念頭に置いた長期休み前後のタイミングでの参加者間の相互理解の機会やキャンプの準備、予行演習、振り返りの機会も含まれる。オンラインや対面でのセッション、日帰りでの取り組みを経て、2泊もしくは3泊程度の期間で自律的な時間と空間を創出し、フレンドシップ(Friendship)、リーダーシップ(Leadership)、フォロワーシップ(Followership)、パートナーシップ(Partnership)、オーナーシップ(Ownership)を育む。これらの力をこのプログラムでは ”X-ship” と命名し、プログラムの名称を ”X-ship Camp” としている。
 このプログラムでは、5年生以上の小学生から、中高生、大学・大学院生といった世代や性別、国籍が異なる参加者が、キャンプにおける様々な活動をチームで協力して実施する。原則としては年齢の高い学生がリーダーになり、低い学生がフォローワーになって物事を進めていくが、アクティビティによってその役割や関係性が変化するようにプログラムを設計し、グループごとに常に対話と行動を共有することを重視して進める。10歳以上歳が離れたメンバーで構成されるグループの中で他者との違いを様々な観点で理解をしながら、物事を進めていくことでX-shipの能力を向上させていくことに特徴がある。

a. 「リーダーシップとフォロワーシップの循環」:小学生から大学・大学院生までの多世代の参加者において、プログラムの中での各々の活動のリーダーやフォロワーの役割を循環させるようにする。つまり、活動によっては、高校生がリーダー、小学生などの他の参加者がフォローワーになり、別の活動は、小学生がリーダーとなるといったものである。例えば、自然環境の中での調査のリーダーは大学生・大学院生が担い、多世代共創を意識して形成するグループごとの出し物の準備や実施のリーダーは小学生が担うといったことや、1日目の夜食の火おこしや調理は高校生がリーダーとなり、2日目のそれは中学生がリーダーとなるといったことである。リーダーシップを養うことで新たな視点を獲得して、良いフォロワーにもなることができるといったことや、年功序列にとらわれない共創のための力を養うことを目的とする。
b. 「多様な他者理解機会の創出と拡充」:参加者は多世代であるといったことに加えて、その経験、専門、国籍なども多様である。それに加えて、現在、実施場所として想定している山中山荘は大学や高校の体育会関係組織が定期的に合宿を実施している組織であり、それらの組織も含めた連携、共創により参加者にとって普段出会うことが少ない分野の人や組織に触れることができ、より広い視野での他者理解につながると考える。例えば、夜キャンプ・ファイヤーを囲んで話し合う時間に大学院博士課程の学生が研究している内容を小中学生にわかりやすく伝えたり、海外での経験がある学生や教員がその経験を共有したりするなど、世代、分野、文化を超えた他者理解を目的とする。
c. 「継続性を考慮したプログラムの体系化と知見の整理」:一貫教育をひとつの特徴とする慶應義塾において、多世代共創を実現するプログラムの設計と評価の知見を継続的に獲得し、属人的ではなく、システムとしてプログラムを生み出し、運営することが重要である。2022年度にコロナ禍の制約の中で開始し、2023年度に塾内施設である体育会山中山荘で世代や経験、国籍が多様な参加者で行なった本プログラムを2024年度にはより体系化することで、属人的ではない実施や他の一貫教育プログラムに活かすことのできる知見を整理する。具体的には、プログラムの準備・実施・振り返りのプロセスの言語化や映像によるアーカイブ化や、それに基づく報告会の実施などをより効率よく行うことを目指す。

2022年度:https://www.keio.ac.jp/ja/news/2022/9/13/27-131952/
2023年度:https://www.keio.ac.jp/ja/news/2023/8/25/27-144797/

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