2009年度公募プログラム

幼稚舎サイエンスミュージアムの構築と教育的な活用Ⅲ

担当

幼稚舎教諭 相場博明

相場博明学校の中に小さなミュージアムがあったら、どんなに素敵だろうという発想からスタートしたこのプロジェクトも3年目となりました。いよいよ完成を目指します。

活動内容

(1) 展示する標本類の充実

大小20の標本戸棚を整備できた。それらは、ほ乳類・鳥類剥製戸棚、ほ乳類・鳥類骨格戸棚、爬虫類・両生類戸棚、魚類戸棚、無脊椎動物戸棚、植物戸棚、昆虫戸棚、貝類戸棚、化石戸棚、鉱物戸棚と分類群ごとに整備することができた。また、その中に展示する標本類も、3年間の未来先導基金の助成により充実させることができた。標本展示に併せて、標本ラベルの作成、解説書の作成、ポスターの作成など展示の工夫も行った。以上のことから、これらの展示内容は、十分にミュージアムと言える規模になったと自負できるものである。

(2) 標本類のデータベース化

3年間で、約1500件の標本のデータベース化を行った。データベースは、分類群ごとに、名前、学名、産地、写真、解説などを入力した。また、第1ミュージアムに2台のPCと第2ミュージアムに1台のPCを用意しタッチパネルディスプレイに接続して、児童に常時閲覧可能にした。これにより、児童は展示物の解説を自由に検索して知ることが可能になった。

(3) 教育プログラムの実践と評価

サイエンスミュージアムの標本および、そのデータベースを利用した教育実践を行った。理科授業のカリキュラムに取り入れ、教材としての活用を試みた。それぞれの発達段階ごとの実践例を試行した。例えば、2年生のミュージアムツアーや5,6年生によるミュージアムワークシート作りなどである。これらの実践は、学校の中にミュージアムがあるから可能になったものである。また、5つの自然検定システム(貝殻、植物、昆虫、恐竜、岩石)を整備し、またその認定書発行システムも開発しその実践を行った。児童が自分の好きなジャンルに積極的に挑戦する姿が多く見られた。また、さらにデータベースを利用したPC自然検定システム(貝殻、植物、岩石、化石、昆虫(甲虫)、昆虫(蝶))を開発し、児童に日常的に利用できるようにした。このPC自然検定は、本物の標本を使った検定ではなく、ミュージアムのデータベース化した写真を使ったものであるが、選択式のクイズ形式になっており、一人でも自由に挑戦できるので従来の検定と同様に夢中になる子供の姿が毎日見られている。

(4) Web版自然検定システムの開発

幼稚舎サイエンスミュージアムのホームページを作成し、その中にWeb版データベースとWeb版自然検定システムを構築した。Web版自然検定は、インターネットで、幼稚舎が長年培ってきた自然検定システムを誰もが自由に利用できるものであり、昆虫(蝶)、昆虫(甲虫)、化石、岩石、恐竜、貝、植物の7つのジャンルからなる。PC自然検定と同様に、50問連続正解者には、「師範」、100問連続正解者には「名人」の認定書がダウンロ-ドできる仕組みになっている。このホームページを世間に公表することで、本プロジェクトは社会に対して貢献できるものとなった。

参加者の声

公募プログラム

幼稚舎6年男子

学校の中に、ミュージアムができてとても嬉しい。僕は、自然が好きなので、休み時間はミュージアムによく行くようになった。やっぱり本物を見るといろいろなことがわかる


幼稚舎4年生女子

ミュージアムにある検定はクイズみたいでとても楽しみながらできます。夢中でやっているうちにいつのまにかいろいろな生き物の名前が覚えられて勉強にもなるのがいいと思います。

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