2011年度公募プログラム

新6年制養成課程における先導的薬剤師育成のための国際化教育プログラム

活動代表者

薬学部教授 大谷 壽一

大谷 壽一薬剤師の養成課程が6年制へと延長され、その一期生が最終学年を迎えます。本プログラムでは、薬剤師の先導者となるべき人材を輩出すべく、国際的視野をもった薬剤師の養成と国際交流の推進を目指してまいります。

活動内容

2011年度中に、本学部6年生8名に対して、海外臨床実習の機会を提供した。まず、渡航前の準備として、2011年春学期 (4〜5月) に、"Case Study Practice" として 15 日間 (1日150分) の集中講義 (3単位) を開講した。そこでは、菅家甫子客員教授に加えて、タイ王国コンケン大学の Suphat Subongkot 博士、米国ワシントン大学の Suzanne Lee博士の二名を講師として招聘し、実践的なファーマシューティカルケアを英語で遂行するために必要な基礎知識と技能を修得させた。続いて、6〜8月の間で、学生は4週間の海外臨床実習を行った。実習先は、米国ワシントン大学(2名)、テキサス工科大学(2名)、アイオワ大学(2名)、タイ王国コンケン大学(2名)である。いずれの学生も、海外の医療現場において、見学型ではなく、参加型の実習を行うことができた。実習の成果は、報告書としてまとめるとともに、2011年12月5日に本学薬学部で開催された実習報告会でも報告された。この実習報告会には、各実習先の指導薬剤師計4名 (米国ワシントン大学Suzanne Lee 博士、テキサス工科大学 Emily Guy 博士、アイオワ大学Jay Currie博士、タイ王国コンケン大学Suphat Subongkot博士)を招聘し、討論及びコメントを頂いた。また、来年度以降の各大学の薬学部学生の来日に関しても意見交換を行った。

一方で、海外(米国、タイ王国)からも5〜7月に薬学部学生の来日、研修を予定していたが、2011年3月に発生した東日本大震災とそれに引き続く原子力発電所の事故などの影響により、残念ながら来日は中止となった。そこで、12月の報告会に続いて、Suzanne Lee博士に引き続き滞在していただき、本学部5年生の海外臨床実習参加希望者に対して事前講義を行ってもらった。

以上の活動により、本年度において6年次学生を対象とした海外アドバンスト病院実習のカリキュラムを確立することができた。実習に参加した学生からも、非常に有益であったとの評価を受けている。また、海外の指導薬剤師との連携が強化され、来年度以降の実習生の相互受入体制についても確立することができた。

参加者の声

公募プログラム

薬学部薬学科6年

私は、2012/6/6~7/8の5週間、アイオワ大学において、アイオワ大学薬学部4年生の学生と共に実習に参加しました。アイオワ大学の学生達は、情報収集能力がとても高く、医師や看護師に情報提供すると同時に、私にも様々な事を教えてくれました。病院や薬局で、実習生が本物の薬剤師と同様に患者や他の医療従事者とコミュニケーションをとり、チーム医療の中に身を置いている姿に驚かされました。日米での実務実習の違いを考えるうちに薬学教育に大変興味を持ちました。また、日本の薬剤師の良いところに気づいた一方、米国の薬剤師業務や医療制度には、日本に取り入れたいと思う優れたものも多くありました。特に外来診療や在宅医療への薬剤師の関わり方は、日本と大きく異なっており、いつか日本の医療に合った形でこのようなシステムを適応させたいと感じました。お世話になったJay. D. Currie先生、Stewart Peterson先生及び、先生方のご一家との交流は現在も続いており、かけがえのないものとなりました。多くの方々のご支援のおかげで、一生忘れられない貴重な経験ができました。心より感謝致します。


薬学部薬学科6年

私は、タイ王国のコンケン大学付属病院のoncology病棟で1ヶ月間の研修を行いました。コンケン大学薬学部は、英語コースとタイ語コースに分かれており、英語コースの学生と一緒に病棟実習を行いました。コンケン大学の薬学生は薬に関する知識が幅広く、また英語力も優れており、学生と一緒に学ぶことでとても良い刺激となりました。1ヶ月という短い期間でしたが、いつでも指導者に質問できる環境が整っており、日本の実習では学べる機会が少なかった病棟での実習を、有意義に過ごすことができました。病棟実習以外にも、バンコクの医療ツーリズムが盛んな病院の見学、タイ伝統医療の見学などを行い、アジアの医療の現状を知ることができ、とてもよい経験となりました。今回の研修ではoncologyに関する知識はもちろんのこと、日本とタイの薬学教育の違いや薬剤師と患者さんとのコミュニケーションについても勉強することができました。タイは発展途上の国ですが、薬学の面では日本が見習うべきことがたくさんありました。タイでの海外研修で学んだことを生かし、今後に役立てていこうと思います。

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