2018年度公募プログラム

[福澤研究センター]

福澤諭吉から未来を学ぶ -『福翁自伝』からのメッセージ-

活動代表者

福澤研究センター所長 井奥成彦

井奥成彦このプログラムは、高校生から大学院生までを対象に、大阪から九州に至る福澤諭吉の足跡を当センターの教員や所員とともに辿り、慶應義塾の歴史や福澤諭吉について学んでもらうものです。

活動内容

日程及び内容は以下の通りである。
8月7日(火)大阪での史跡見学(慶應大阪シティキャンパス・福澤諭吉誕生地記念碑・適塾・慶應義塾跡・大阪企業家ミュージアムほか)および『福翁自伝』読書会
8月8日(水)アーカイブズ講座講義・中津での史跡見学1(福澤記念館および大江医家史料館)・古文書講座・『福翁自伝』読書会
8月9日(木)アーカイブズ講座実習・中津での史跡見学2(青の洞門、競秀峰、羅漢寺ほか)

 初日は大阪の福澤諭吉に関する史跡を訪ねた。『福翁自伝』で大きな部分を占める大阪での生活を追体験するため、生誕地や適塾、慶應義塾分校跡をみなで見学したあと、個々の興味に合わせて自由見学を行った。夜の読書会では、自由見学の成果を報告し、また『福翁自伝』において福澤が未来へと伝えようとしたメッセージについて話し合った。
 2日目は中津へと移動し、中津市主催のアーカイブズ講座初級の部に参加した。中津市立小幡記念図書館における開講式の後、元京都造形芸術大学の教授で文化財保存修復の専門家である尾立和則先生の講義を聴き、その後福澤の中津での生活の追体験のため、福澤が10代後半を過ごした旧居および福澤記念館を見学した。また見学終了後、記念館内会議室で古文書の解読に関する基礎的な学習を行った。夜は再び読書会を行い、前日に引き続き福澤からのメッセージについて話し合った。
 3日目は、2日目に講義を受けた尾立先生の指導のもと、襖の下張り文書の剥がし方や写真撮影等の記録の仕方、および剥がされた資料の整理に関する実習を行った。また、福澤が環境保護に尽力し、平成27年には日本遺産に登録された耶馬渓競秀峰や羅漢寺などの関係史跡を見学した。
 参加者は、高校生4名(塾高2、志木高2名)、学部生2名(文学部1、法学部1)、大学院生1名であり、引率は井奥成彦(福澤研究センター)、大塚彰(志木高)、末木孝典(塾高)、西沢直子(福澤研究センター)、馬場国博(SFC)

 

参加者の声

公募プログラム

高等学校1年

僕は大阪で街歩きをしたことがなかったので、自由時間に街の様子を観察できてよかった。僕たちは鍋島の浜や龍海寺等を相当駆け足で見て回ったが、夕食時に他の人の話も聞けて、次回の参考になった。
中津は古い町並みが処処に残っていて面白い町だった。また、アーカイブズ講座では、襖紙を剥がす体験もしたが、和紙を作る過程でできる模様の説明が印象に残った。読書会の議論では、意見が対立した時が、内容の濃い意見が出されて最も面白かった。


文学部3年

『学問のすゝめ』が、中津を思って著述したものであること、小幡篤次郎をはじめとした、中津の人物との関係を考えると、中津という故郷への思いはひとしおであったとも言えると思います。特に福沢が自然環境を保全した、競秀峰を生で見ることができたことは中津に対しての思いを垣間見ることができた点で印象に残っています。このツアーの中で福翁自伝中の、大阪と中津に関する章について議論しましたが、その他の章も合わせて考えると、また新たな福沢のイメージができるのだろうと思いました。今回は人数が例年より少なかったようですが、先生方や高校生にも仲良くして頂いたことでこの3日間が良い思い出となりました。ありがとうございました。

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