2021年度公募プログラム

[文学部]

台湾の大学生と共に学ぶ植民地教育史:戦前・戦後地歴教育の変遷

活動代表者

文学部准教授 前田廉孝

前田廉孝複雑化と緊密化が併進する東アジアで近隣諸国・地域と共生を図る際に旧植民地領有国の日本に求められる歴史認識を,日台の大学生,さらには一貫教育校の高校生も交えながら,共同で模索します。

活動内容

 本プログラムは塾生が訪台し,現地で台湾の大学生と交流することを活動の中心としている。しかし,周知の通りに,2020年より外務省は台湾を渡航禁止地域として指定し,義塾も塾生の海外渡航を禁止している。それゆえに,2021年度に訪台は実現できなかった。但し,本プログラムの中核を担う文学部日本史学専攻前田廉孝ゼミでは2021年度においても2022年度の交流へ向けた準備を進めた。
 既に2020年度までに本プログラムにおける当初の目標であった教科書に関する考察は一段落し,2021年度は「地歴教育」の範囲を拡大し,学校教育のみならず社会教育まで考察の射程を延長した。そして,具体的には日本・旧植民地に現存する歴史的建造物の保存と利用実態について検討し,2021年度は日本国内に焦点を絞った。以上の考察より歴史的建造物の保存には文化的な価値のみならず経済的な価値も重要であることを複数の事例から明らかにした。例えば,東京駅は空中権の売却によって歴史的建造物としての保存が可能となった。歴史的建造物の保存には多額の費用を要し,日本においては当該費用の捻出が重要である。2022年度からは考察の視野を旧植民地(台湾・朝鮮(韓国))まで拡大し,分析を続けたい。
Undergraduate Courses, Lab of Modern Japanese History, Department of Japanese History, Faculty of Letters, Keio University

参加者の声

公募プログラム

文学部日本史学専攻3年生

日本の建築物の利用と保存というテーマで,英語でプレゼンの準備をしています。苦労することも沢山ありますが,必ず自身の成長や英語力向上に繋がると信じて活動に取り組んでいます。今年はコロナ禍で実際に台湾の大学生と交流する機会はありませんでしたが,来年は国際学術交流ができると信じています。海外の人たちとの国際学術交流に向けた具体的な準備を進めていくと,日本で生活する私たちが当たり前に思っていることが必ずしも当たり前でないことに気付かされます。そこで,たびたび議論の前提から考え直さなければならないこともあり,大いに勉強になっています。この経験を活かし,来年の国際学術交流が有意義なものとなるように準備を続けていきたいです。

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