2023年度公募プログラム

[文学部]

慶應・台北大共同「帝国日本」植民地史研究プロジェクト:東アジアの共生に向けた歴史認識の醸成を目指して

活動代表者

文学部准教授 前田廉孝

前田廉孝複雑化と緊密化が併進する東アジア近隣諸国・地域との共生で日本に求められる歴史認識の主体的な模索を塾生とともに試みます。

活動内容

【1)国立台北大学人文学院歴史学系との学術交流(使用言語:英語)】
 本プログラムと並行し,国立台北大学は「国際学術専題交流」と称する特設カリキュラムを2022年8月に立ち上げている。そのカリキュラム受講者と本プログラムメンバーの塾生はそれぞれ台湾の日本統治期建造物の歴史・保存・利用について個別具体的な事例分析を進め,分析結果を2023年9月に国立台北大学で報告・議論する。本交流では塾生と台北大生が旧宗主国側と旧植民地側の視点から報告内容を共有し,議論することで,戦前期における植民地統治の実態とそれが戦後台湾の歴史的経過に及ぼしたインパクトが明らかにされよう。その成果を踏まえ,東アジアの共生者として日台双方で有すべき歴史認識の方向性について議論したい。なお,以上の作業は全て英語で実施し,COVID-19による渡航不能時はオンラインミーティングに切り替える。
【2)上記1)の実施に向けた事前準備(プレゼンテーション・ディスカッション練習)(使用言語:英語)】
 1)で示したプレゼンテーションに向けた準備作業を2023年1月から開始する。準備段階から塾生に具体的な作業計画の立案を任せ,主体的な取組を促す。そして,準備作業より得られた知見は毎月2回実施するセミナーで報告され,申請者(前田)を含めた議論が交わされる。なお,上記の準備作業も全て英語で実施する。
【3)台北市内の日本統治期建造物を見学する巡見】
 1)実施時には,巡見として台湾総督府庁舎(現・総統府),日本勧業銀行台北支店(現・台湾博物館土銀展示館)など日本統治期建築の建造物を見学する。また,台湾三田会との交流で台湾の現状を塾生が理解する機会も設ける。
【4)シンポジウム(成果報告会)の開催と研究者・高校生との意見交換(使用言語:日本語)】
 2023年11月には,1)~3)で得られた成果を報告するシンポジウムを三田キャンパスで開催する。シンポジウムには日本植民地史及び近代朝鮮史の研究者(山本裕准教授(獨協大学)・金明洙副教授(韓国・啓明大学校))を討論者として招聘し,一貫教育校在籍の高校生も交えながら,幅広い議論を展開したい。

未来先導基金の取り組みにご賛同していただける方はこちらをご覧ください。

ご賛同いただける方はこちら

ページの先頭に戻る