2007年度公募プログラム

第8回APRU(環太平洋大学協会)博士学生会議
(Doctoral Students Conference: DSC)の開催

活動課題(テーマ)

慶應義塾の加盟するAPRUは環太平洋地域の各国から主要な研究大学が加盟する協会であり、APRUへの参加は、慶應が国際連携を展開する上での重要な活動の柱として位置づけられている。
今夏に慶應がホスト校として開催するDSCは、APRU加盟大学に在籍する大学院博士課程学生約100名が慶應に集まる会議で、基調講演のほか、参加者による研究発表および討論行なうことを通じて、各々の持つ文化的背景や専門分野を越えて、環太平洋地域に共通するテーマについて理解を深め、将来の先導者となる博士課程の学生にネットワークを構築する機会を提供するものであり、日本での開催は今回が始めてとなる。
創立150年を迎えるにあたり、2007年の博士学生会議の開催、2008年のAPRU学長の開催を150年事業の国際プログラムの一環として位置づけ、大学としてこれらの事業を成功させることは、世界での慶應義塾の認知度を高めていくためにもきわめて重要である。
また、この会議の運営は慶應義塾の大学院に在籍する学生が中心となり、APRU加盟大学の大学院学生、本学の運営事務局と協力をしながら会議の企画運営を担っている。

担当

国際センター事務長  加藤 好郎

実施状況

本学の加盟するAPRU(環太平洋大学協会)は環太平洋地域の各国から主要な研究大学が加盟する協会であり、APRUへの参加は、慶應が国際連携を展開する上での重要な活動の柱として位置づけられている。 創立150年を迎えるにあたり、2007年の博士課程学生会議の開催、2008年のAPRU学長の開催を150年事業の国際プログラムの一環として位置づけ、大学としてこれらの事業を成功させることは、世界での慶應義塾の認知度を高めていくためにもきわめて重要であるとの理解のもと、慶應義塾大学大学院生が中心となり、APRU加盟大学の大学院学生、本学の運営事務局と協力をしながら会議の企画運営に携わった。概要は以下のとおりである。

初年度ということもあり学生への周知に苦労したが、結果的には優秀な応募が相次いだ。残念ながら採用を見送らねばならないケースもあり、助成を受けずにフィールドワークを行うケースも多数存在した。熱意ある塾生の期待に応えられない部分があり大変残念ではあるが、当助成採用学生の研究水準が、研究を行う学生の先導となることを期待する。
当助成制度の目標の一つに、SFCの特徴であるフィールドワークを奨励し、研究成果向上を図ることがあげられる。当助成によって、より充実したフィールドワークを実施することができ、研究水準の向上に貢献できた。また、注目したいのは最終学年以外での採用者である。SFCでは希望者は研究会に1年次から参加できるため、低学年時から研究を進めている塾生も存在する。彼らにより高度な研究のチャンスを与えると同時に、最終学年の塾生と同じ場で報告、質疑に参加させることで、他キャンパスにはない刺激的な学びの環境を提供できたのではないかと考えられる。

対象 APRU加盟大学の大学院学生
開催テーマ The Emerging Future of the Pacific Rim: Alliances, Collaboration and Networking
募集方法 ウェブサイトを立ち上げCall for papersを掲載するとともに、APRU事務局を通じて加盟大学に周知し、参加者を募集した。
応募書類 パネル・プロポーザル、論文要旨、論文
応募者 約260名
合格者 約120名
参加者 約100名(14か国、25大学からの大学院学生)
選考方法 第一次選考:教員および大学院生による書類審査、
第二次選考 DSC実行委員会による書類審査
発表 2007年3月30日
開催期日 2007年7月29日(日)来日~2007年8月4日(土)
開催場所 慶應義塾大学 三田キャンパス
参加者宿泊先 ホテルヴィラフォンテーヌ三田

主要項目

(1)基調講演

村井純教授(慶應義塾常任理事)
竹中平蔵教授(慶應義塾大学グローバルセキュリティ研究所所長)
氏家純一氏(野村ホールディングス株式会社取締役会長)

(2)参加学生による研究発表

科学技術、政治、経済、法律、文化、ビジネスなどのサブトピックについて研究発表と討論。計30 streams。

(3)日本文化を紹介するプログラム

増上寺見学、明治神宮・渋谷・新宿ツアー、横浜花火大会、浅草ツアー、茶道・華道・書道・香道・着付け体験。

成果・目標達成度

以下の点について、一定の成果が上がった。

  • (1)会議参加者であるAPRU加盟大学博士課程在籍学生は、基調講演のほか、参加者による研究発表および討論、日本の文化・社会理解を促すワークショップ、ソーシャルプログラムを通じて、各々の持つ文化的背景や専門分野を越えて、環太平洋地域に共通するテーマについて理解を深めることができ、若手研究者同士の国境を越えた人的交流が促進され学生同士のネットワークを構築することができた。
  • (2)会議の実行委員を務めた学生たちは、プログラムの企画会議から会議運営まで英語による国際会議運営経験を蓄積することができた。事務局を担当した国際センターとしても、学生、卒業生、学内関係教職員、APRU事務局(シンガポール)と協働して国際会議を企画、運営する貴重な経験をすることができた。
  • (3)学術的な側面以外にも、塾員、学部生の協力により、独自のソーシャルプログラムを企画運営することができた。これにより、日本および慶應実施での開催したことの特色をさまざまな局面でアピールすることができた。
  • (4)会議はAPRU加盟大学の中で慶應義塾のプレゼンスを高めるイベントとなったといえる。

今後の展望

APRUは、環太平洋地域の教育・研究・企業経営における協力体制の構築を促し、同地域の経済・科学・文化面での発展に貢献することを目的として1997年に創設され、環太平洋地域の16カ国のトップレベルにある37大学から構成される大学連合組織であり、「優れた学業実績」、「研究推進力」、「グローバルな活動視野」、「イノベーションの次元」等の条件をクリアした大学のみが協会に参加することができるものである。慶應義塾大学は、2002年にAPRUメンバーに加盟し、昨年5月には安西祐一郎塾長がAPRU副会長に選出された。この協会の中でのプレゼンスを高めることによって、世界でも認知度の高い大学へと成長していくことができると思われる。この学生会議で培った人脈、運営力は今年度に予定されているAPRU学長会議にも活かされており、今後ともAPRU加盟大学との交流は慶應義塾の国際連携活動の軸となっていくことが期待される。

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